2019年08月22日

「ディリリとパリの時間旅行」華やかなフランスの“良き時代” 歴史上の人々と少女の謎解きの旅

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 19世紀末から20世紀初頭、「ベルエポック(良き時代)」のパリ。フランス領・ニューカレドニアに住む少女・ディリリは、どうしても外国に行ってみたくて、こっそり船に乗りパリに来た。開催中の博覧会に出演し、偶然出会った配達の青年・オレルとバカンスを楽しむ約束をする。一方、街は少女誘拐の話で持ちきり。謎の集団「男性支配団」が犯人という。ディリリはオレルの紹介さパリの有名人たちに会い、男性支配団について次々と質問する──。

 監督・脚本は「キリクと魔女」(98)、「アズールとアスマール」(06)などで知られる仏長編アニメーション界の巨匠ミッシェル・オスロ。音楽は「イングリッシュ・ペイシェント」(97)のガブリエル・ヤーレ。

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 幕開けは1900年のパリ万博。「人間動物園」で有色人種を原住民に見立て、暮らしぶりを再現している。ディリリは見世物的な子どものキャストとして出演していた。上半身裸に腰巻姿の少女に興味を持ったオルレは、会場の外で会う約束をする。現れたのは白いドレスで正装したディリリだった。流暢なフランス語を話し、マナーも行き届いた立派な淑女。二人はオルレの案内で、街歩きに出かける。しかし、少女誘拐事件のため、通りには不穏な空気が流れていた。

 当時のパリの町並みを。写真を加工して忠実に再現。歴史に名を残す有名人が次々と登場し、事件解決を試みるディリリたちに助言を与え、力を貸してくれる。タイムスリップしたような「もしも」を具現化する夢のようなアニメーションだ。

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 ピカソ、モネ、キュリー夫人、ロートレック、ルノワール、マティス、ルソー、ドビュッシー、サティ──映画にもなった黒人芸人「ショコラ」など、誰もが知る著名人が現れる設定が抜群だ。当時のフランス芸術、文化に詳しければより楽しめるだろう。一方で、植民地の先住民に対する差別、偏見も取り入れたことがポイントといえる。

 パリが繁栄した「ベルエポック」の世情を背景に、華やかなフランス文化を生んだ人々を物語に絡め、ノスタルジックな郷愁を生み出した。謙虚で礼儀正しいディリリの活躍はいとおしく、しばし現実を忘れ、観客に幸せな時間をくれる。アニメならではの柔軟性がユニークな作品だ。

(文・藤枝正稔)

「ディリリとパリの時間旅行」(2018年、仏・独・ベルギー)

監督:ミッシェル・オスロ
出演:プリュネル・シャルル=アンブロン、エンゾ・ラツィト、ナタリー・デセイ

2019年8月24日(土)、YEBISU GARDEN CINEMAほかで全国順次公開。作品の詳細は公式サイトまで。

https://child-film.com/dilili/

作品写真:(C)2018 NORD-OUEST FILMS - STUDIO O - ARTE FRANCE CINEMA - MARS FILMS - WILD BUNCH - MAC GUFF LIGNE - ARTEMIS PRODUCTIONS - SENATOR FILM PRODUKTION

posted by 映画の森 at 09:59 | Comment(0) | フランス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年07月30日

「サマー・オブ・84」1980年代への熱きオマージュ 高校生4人、殺人捜査に挑む青春スリラー

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  1984年夏、米オレゴン州。緑豊かな郊外の住宅地で暮らす少年デイビー(グラハム・バーチャー)は、エイリアン、幽霊、猟奇犯罪などの記事に夢中の15歳だ。近くで同年代の子供ばかりが狙われる連続殺人事件が発生し、デイビーは向かいに住む警官マッキーが犯人と考え、親友のイーツ、ウッディ、ファラデイと独自捜査を開始する──。

 好奇心旺盛な男子高校生4人組による青春スリラー「サマー・オブ・84」。SFアクション「ターボキッド」(15)の3人組の監督ユニット「RKSS」の長編第2作だ。

 1984年はインターネットも携帯電話もないアナログ時代。記者の父を持つデイビーは、新聞、テレビ、図書館を情報源に、トランシーバーを駆使し、犯人探しに挑む。あの時代ならではの甘酸っぱい青春テイストも盛り込まれている。

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 1984年、ハリウッドは活気づいていた。スティーブン・スピルバーグやジョージ・ルーカス監督は全盛期。スピルバーグ監督「E.T.」(82)、ルーカス製作「スター・ウォーズ ジェダイの帰還」(83)が大ヒット。スピルバーグ監督「インディー・ジョーンズ 魔宮の伝説」(84)、さらにジェームズ・キャメロン監督「ターミネーター」(84)と今も続くシリーズが始まった年だ。80年代青春映画のアイコンとなるジョン・ヒューズが「すてきな片思い」(84)で監督デビューした年でもある。

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 展開はスリラー映画の王道。主人公が近所の住民を犯人とにらみ、素人捜査を始める設定は、ヒッチコック監督の「裏窓」(54)や「ディスタービア」(07)などがあり目新しくはない。しかし、高校生4人が危なっかしいスリルを生み出し、年上のお姉さんへの恋心が一服の清涼剤にもなっている。

 重要な役割を果たすのが、モントリオール出身の2人組テクノユニット、ル・マトスの音楽だ。幕開けから流れる打ち込みのアナログ・シンセサウンドは、当時全盛だった「ミッドナイト・エクスプレス」(78)、「フラッシュダンス」(83)の作曲家ジョルジオ・モロダー風でもあり、「恐怖の報酬」(77)の電子音楽グループのタンジェリン・ドリーム風でもある。映画音楽を自作する「ハロウィン」(78)のジョン・カーペンターほか、先人の影響を受けたサウンドから影響を受けている。

 1980年代に青春を過ごした世代は、郷愁を感じるだろう。逆に当時を知らない若者たちは、不便さをかえって新鮮に感じるかもしれない。素人探偵になった高校生の活躍に終わらず、痛いしっぺ返しが用意されたことで、幕引きがもやもやしてしまった。とはいえ、80年代へのオマージュたっぷり、愛すべき青春スリラーだ。

(文・藤枝正稔)

「サマー・オブ・84」(2017年、カナダ)

監督フランソワ・シマール、アヌーク・ウィッセル、ヨアン=カール・ウィッセル
出演:グラハム・バーチャー、ジュダ・ルイス、ケイレブ・エメリー、コリー・グルーター=アンドリュー、ティエラ・スコビー

2019年8月3日(土)、新宿シネマカリテほかで全国公開。作品の詳細は公式サイトまで。

https://summer84.net-broadway.com/

作品写真:2017 (C) Gunpowder & Sky, LLC

posted by 映画の森 at 15:48 | Comment(0) | カナダ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年07月28日

「伝説の監督 没後10周年記念 ヤスミン・アフマド特集」 多民族、多宗教、多言語国家マレーシア あらゆる「壁」を越えて

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 マレーシアを代表する映画監督、ヤスミン・アフマド監督の没後10年に合わせた特別上映「伝説の監督 ヤスミン・アフマド特集」が、東京・渋谷のシアター・イメージフォーラムで開かれている。2009年、51歳の若さで急逝して10年。遺作となった「タレンタイム」(09)など長編6作品と、短編オムニバス映画「15マレーシア」(09)が上映されている。

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 多民族、多宗教、多言語国家のマレーシアを舞台に、さまざまな壁を軽やかに乗り越え、互いを尊重し共存する人々を描いたヤスミン監督。開幕に合わせて「細い目」(04)、「グブラ」(05)などに主演し、ヤスミン作品の「顔」ともいえる女優のシャリファ・アマニほか四姉妹、「タレンタイム」の音楽を担当したミュージシャンのピート・テオが来日。記者会見や観客との質疑応答、トークイベントに参加した。

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 会見でシャリファ・アマニは「東京で繰り返し監督の作品が上映されていることをうれしく思う。監督の遺したもの、魂が日本で生き続けている。私の大好きな監督がこの世を去って10年になるが、今も作品を愛し続けてくれてうれしい」と話した。

 また、ピート・テオは「ヤスミンの作品が日本で生き続けているのは光栄で、栄誉あること。今後も上映の機会があればいいと思う」と語った。

(文・遠海安)

 2019年8月23日(金)まで、渋谷のシアター・イメージフォーラムで開催。上映スケジュールなど詳細は公式サイトまで。

http://moviola.jp/yasmin10years/

主な上映作品の詳細は以下の通り。

<1>「ラブン」(03)
出演:M・ラジョリ カルティナ・アジズ

MVA最優秀アセアン映画賞受賞

定年を迎えた父、母、就職したばかりの娘オーキッド。父は定年を機に田舎の実家を改築して暮らそうとするが、近隣の住人とうまくいかず…。家族の肖像をコミカルに描く。「ラブン」とは、目がかすむことの意味。次作から主役となる“オーキッド”が登場した記念すべきデビュー長編。

<2>「細い目」(04) 
出演:ン・チューシオン シャリファ・アマニ

マレーシア・アカデミー賞グランプリ、東京国際映画祭最優秀アジア映画賞

香港の映画スター(金城武)が大好きなマレー系少女オーキッドは、露店で海賊版の香港映画ビデオを売る中国系の少年ジェイソンと出会い恋に落ちる。民族や宗教が異なろうと、彼らの家族は2人の恋を理解するが……。細い目とは、中国系の目が細いことをからかうマレーシアの言い方。

<3>「グブラ」(05) 
出演:シャリファ・アマニ アドリン・ラムリ

マレーシア・アカデミー賞グランプリ

「細い目」の数年後。結婚したオーキッドは、父の入院をきっかけに、夫の裏切りに気づく。一方、町の反対側にある低所得者の地域では、イスラム教聖職者とその妻が、近隣者の困難に向き合う。2つの世界をパラレルに描く意欲作。

提供:Nusanbakti Corporation Sdn Bhd  協力:一般社団法人コミュニティシネマセンター

<4>「ムクシン」(06) 
出演:モハマド・シャフィー・ナスウィプ シャリファ・アルヤナ シャリファ・アマニ

ベルリン国際映画祭ジェネレーション部門審査員グランプリ

オーキッドは10歳、ムクシンは12歳。夏休みに出会った二人はすぐに仲良くなる。ムクシンは、オーキッドに恋心を抱くが…。それぞれの抱える家族や近隣者の悩みを浮かび上がらせながら、幼い2人の思春期の入口の輝きを描き出す。

<5>「ムアラフ 改心」(07) 
出演:ブライアン・ヤップ シャリファ・アマニ

東京国際映画祭アジア映画賞スペシャル・メンション

父を嫌って家出したマレー系の姉妹。叔母の所有する空き家に暮らす2人は、中国系のキリスト教徒の青年教師と出会う。彼は子供時代のつらい記憶から宗教を憎悪していたが、信仰を大事にする姉妹に惹かれるうち、自分を前向きに変えて行く。

<6>「タレンタイム 優しい歌」(09)
出演:パメラ・チョン マヘシュ・ジュガル・キショール
音楽:ピート・テオ

マレーシア・アカデミー賞最優秀監督賞含む主要4賞、シネマニラ国際映画祭最優秀東南アジア映画賞

ピアノの上手なムルーは、耳の聞こえないマヘシュと恋に落ちる。二胡を演奏する優等生カーホウはギターがうまい転入生ハフィズに嫉妬する。たくさんの民族が暮らす街で、音楽コンクール“タレンタイム”に挑戦する高校生たちのかけがえのない青春とその家族を描くヤスミンの遺作長編。
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2019年07月25日

日本映画も存在感、富川国際ファンタスティック映画祭

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 韓国・京畿道富川市で6月22日から7月7日まで「第23回富川(プチョン)国際ファンタスティック映画祭2019」(BIFAN)が開かれた。期間中に日本の輸出規制強化が報じられたが、日本映画と日本からのゲストは例年と同様、熱い歓迎を受けた。49カ国・地域、284本の上映作の最後を飾ったクロージング作品は、日本映画学校で学んだ韓国人監督の密室サスペンス。例年に増して日本とのつながりを実感した映画祭だった。

 日本映画が3部門で受賞

 BIFANはスリラーやホラー、ファンタジー、アニメーションなどのジャンル映画に特化した映画祭。韓国ではまだ愛好者が多くはないマニアックな映画を集め、例年熱心なファンを呼び込んでいる。こうしたジャンルが得意な日本映画はBIFANの常連で、今年も約30本が招待された。

 日本映画は3部門で受賞。斎藤工が企画・主演した「MANRIKI」(清水康彦監督)が欧州ファンタスティック映画祭連盟アジア映画賞を受賞したほか、同賞のスペシャル・メンションに「いぬむこいり」(片嶋一貴監督)が選出。さらに、子どもたちが選ぶ子ども審査団賞を「パパはわるものチャンピオン」(藤村享平監督)が受賞した。

 長編コンペティション部門の審査委員長を務めた金子俊輔監督の「平成ガメラシリーズ3部作」の上映とトークにも大勢の怪獣映画ファンが集まった。

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 “知日派”監督の密室サスペンス

 クロージング作品は、高命成(コ・ミョンソン)監督の「南山(ナムサン)詩人殺人事件」。高監督は釜山出身で、大学卒業後に日本映画学校(現・日本映画大学)で演出を学んだ。日本で10年ほど生活し、日韓合作映画のコーディネーターや通訳を担当。2012年に在日朝鮮人の帰還事業を扱ったドキュメンタリー「さよなら、アンニョン、再見」を撮った。

 「南山詩人殺人事件」の舞台は朝鮮戦争後の1953年、ソウル明洞にある日本家屋のカフェ。詩人や画家など芸術家のたまり場だ。このカフェに捜査官が現れ、ある事件の「容疑者」たちと息詰まる心理戦を繰り広げる。事件の真相が明らかになるにつれ「イデオロギー対立」や「過去の清算」といった、現在に続く韓国の痛みが浮き彫りにされていく。密室サスペンスに韓国の現在と過去への視線が絡み合う異色の作品だ。

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 捜査官役のキム・サンギョンの鬼気迫る演技はもちろん、新進俳優たちの演技も見どころだ。韓国では今秋、一般公開される予定。

 ジャンル映画の歴史

 今年は朝鮮半島で映画が作られ始めて100周年。1919年、ソウル・鍾路の劇場「団成社」で初のフィルムを使った連鎖劇(舞台劇と映画を組み合わせた演劇)「義理的仇討」が上映されたのが最初とされる。

 各映画祭が100周年を記念したプログラムを組む中、BIFANは過去のジャンル映画を特集した。怪獣映画「宇宙怪人ワンマグィ」(1967)や韓国初のゾンビ映画「怪屍」(1980)、女子高校生のリアルライフを描いたコメディー「ヨンシム」(1990)などを見ると、韓国で多様な映画が製作されてきたことが実感される。まさにBIFANならではのプログラムだった。

(文・芳賀恵)

写真1:富川市役所もファンタスティック=富川市で芳賀撮影
写真2:「南山詩人殺人事件」の舞台挨拶=富川市役所で7月5日、映画祭事務局提供
写真3:観客との質疑応答に参加する「南山詩人殺人事件」の高命成監督(右)=富川市役所で7月5日、芳賀撮影
写真4・5:「南山詩人殺人事件」場面写真=映画祭事務局提供

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2019年07月22日

「アンダー・ユア・ベッド」忍び込みのぞき見る 男のゆがんだ盲目の愛

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 雨の日のエレベーターに、香水の匂いが残る。三井(高良健吾)は11年前、一度だけ名前を呼んでくれた佐々木千尋(西川可奈子)を思い出した。人生で唯一幸せだったあの感覚に触れたくなり、千尋を探すことにする──。

 「殺人鬼を飼う女」の大石圭の同名小説を映画化。監督、脚本は「呪怨 黒い少女」(09)、「バイロケーション」(14)の安里麻里。都市伝説に「一人暮らしの女性の家のベッドの下に、見知らぬ男が潜む」があるが、それを地で行く屈折した愛情だ。

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 大学時代に一度だけ「三井くん」と呼んでくれた佐々木に淡い恋心を抱き、喫茶店で飲んだマンデリンコーヒー。飼っていたグッピーを譲る約束。甘い記憶をたぐり、探偵に住所を探させ、近所に引っ越した三井は、1階で観賞魚店を開き、2階を自宅に暮らし始める。

 店に千尋が乳母車に娘を乗せて来た。昔の輝きは失われ、やつれた様子で、三井にも気付かない。三井も名乗らず「開店祝いにグッピーと飼育キットをあげるから、餌を定期購入してほしい」と頼む。応じた千尋の家にグッピーと飼育キットを設置し、すきを見て合い鍵を盗み、外出中に侵入。ベッドに盗聴器を仕掛け、望遠レンズで見えたのは、夫・浜崎(安部賢一)の激しい暴力に耐える千尋だった。

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 「石の下に隠れる虫と同じ」と自虐的に言うように、三井はこっそり家に入り込み、ベッドの下に隠れ、千尋のぬくもりを感じて悦に入る。愛はゆがみ、狂っている。そこへ暴力に苦しむ千尋の現実が交錯。三井に真の記憶がよみがえる。

 体を張って演じた西川、妄想の愛を体現した高良。「ガチ★星」(18)の崖っぷち男から一転、凄惨なDV夫を演じた安部。限界ぎりぎりの演技を引き出した安里監督は、盲目の愛をスリリングに描き、暴力描写もいとわない。屈折した愛が暴走する。

(文・藤枝正稔)

「アンダー・ユア・ベッド」(2019年、日本)

監督:安里麻里
出演:高良健吾、西川可奈子、安部賢一、三河悠冴、三宅亮輔

2019年7月19日(金)、テアトル新宿ほかで全国公開。作品の詳細は公式サイトまで。

http://underyourbed.jp/

作品写真:(C)2019 映画「アンダー・ユア・ベッド」製作委員会

posted by 映画の森 at 21:00 | Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする