「香港映画祭2023 Making Waves」ダヨ・ウォン、ラム・カートンら迎え盛況

映画祭

 香港映画の新作・名作7作品を紹介する「香港映画祭2023 Making Waves」が2023年11月2~5日、東京・恵比寿で開催された。昨年に続き2回目の今年は、人気俳優のダヨ・ウォン(黄子華)、ラム・カートン(林家棟)らゲストが参加。公式初来日となったダヨ・ウォンの登場に、会場から大きな拍手と歓声が沸いた。

 香港映画歴代興行収入1位を記録したダヨ・ウォン主演の法定ドラマ「毒舌弁護人 正義への戦い」は、、日本でも劇場公開中。ラム・カートンとソイ・チェン(鄭保瑞)監督によるサスペンス映画「マッド・フェイト」など5作品が日本初上映となった。

 初日2日のオープニング・セレモニーでは、「毒舌弁護人 正義への戦い」のダヨ・ウォン、ジャック・ン(呉煒倫)監督、「マッド・フェイト」のラム・カートンとソイ・チェン監督、「ブルームーン」出演のグラディス・リー(李靖筠)、「風再起時」のフィリップ・ユン(翁子光)監督らが舞台挨拶した。

「マッド・フェイト」のラム・カートン(左)とソイ・チェン監督

 3日に上映された「マッド・フェイト」は、上映後の質疑応答にラム・カートンとソイ・チェン監督が登壇。作品の主要なテーマである“運命”について、ラム・カートンは「運命に反して何か無理やりやろうとすると悲劇が起こる。人間はいかに自分の運命を受け入れるか。考えさせられるところが多かった」と語った。ソイ・チェン監督は「運命は変えられないかもしれない。そんな課題を探求してきた。私も運命を信じるが、選択する余地はあると思っている」と話した。さらに、ラム・カートンは「今の世の中、生きづらい、生きにくい。あきらめず『明日はもっといい』という気持ちで臨みましょう」と客席に呼び掛けた。

 同じく3日に上映された「毒舌弁護人 正義への戦い」のダヨ・ウォンは公式初来日。香港ではスタンダップ・コメディアンとして知らぬ人はいない人気スターで、登場すると大きな歓声と拍手が起きた。今年の旧正月に公開され、大ヒットを記録した同作に、ダヨ・ウォンは「監督のおかげ。中国に『牡丹が美しくても緑の葉がないとダメ』という言葉がある。我々役者はあくまで葉っぱ。監督こそ美しい牡丹です!(日本語で)すごいね~!」と話し、客席を沸かせた。

「毒舌弁護人 正義への戦い」のダヨ・ウォン(左)とジャック・ン監督(右)

 ジャック・ン監督は「香港人はダヨ・ウォンさんのことが大好き。まさに香港公認で『口がうまい。そして面白い』。役にぴったりだと思った」と説明。大ヒットを受けた続編制作の可能性について、ジャック・ン監督は「当面は考えていない。脚本を書くのに1年半。かなりの地獄で、もう一度やりたくない」と思わず本音。これを受けてダヨ・ウォンは「続編を撮ることになっても、僕には声がかからない」と続け、劇中のセリフを引用して「Everything is wrong!(何もかもがおかしい)」と立ち上がって答える一幕も。さすがの機転とファンサービスで会場を盛り上げた。

 「香港映画祭2023」ではこのほか、家族の再生を描く「ブルー・ムーン」、アーロン・クォック(郭富城)とトニー・レオン(梁朝偉)の映画初共演「風再起時」、サスペンス色豊かなホラー「7月に帰る」、ルイス・クー(古天樂)主演の「ホワイト・ストーム 世界の涯て」、レスリー・チャン(張國榮)主演の「夢翔る人 色情男女」デジタル・レストア版が上映された。

(文・阿部陽子 写真・映画祭事務局提供)

「香港映画祭2023 Making Waves – Navigators of Hong Kong Cinema 香港映画の新しい力」
日程:2023年11月2日(木)~5日(日)
会場:YEBISU GARDEN CINEMA
公式サイト:https://makingwaves.oaff.jp/

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