にぎわい戻った釜山国際映画祭 トニー・レオン、ソン・ガンホら登場

映画祭

 韓国釜山市で10月5日から14日まで「第27回釜山国際映画祭2022」が開催された。今年は71カ国・地域の242本を上映。3年ぶりに海外ゲストの来訪や対面イベントが相次ぎ、会場を大いに盛り上げた。

 5日にメーン会場の「映画の殿堂」で行われたレッドカーペット。国内外のスターが次々に姿を現すたびに、会場を埋めたファンから歓声が上がった。

 「ベイビー・ブローカー」の是枝裕和監督は主演のソン・ガンホとともに登場。配信ドラマ「ヨンダー」で約20年ぶりに共演するシン・ハギュンとハン・ジミンはイ・ジュニク監督とそろってレッドカーペットを歩いた。

トニー・レオン「悪役にも挑戦したい」

 オープニングセレモニーでは香港のトニー・レオン(梁朝偉)が「今年のアジア映画人賞」を受賞した。釜山映画祭には4回目、18年ぶりの参加となる。今回は本人がセレクトした「ブエノスアイレス」「花様年華」「インファナル・アフェア」など出演作6本が特別上映された。

 韓国では1970~90年代に香港映画の人気が高く、トニー、マギー・チャン(張曼玉)、アンディ・ラウ(劉徳華)、故レスリー・チャン(張国栄)ら香港スターの知名度は高い。映画祭では関連グッズや直筆メッセージのコピーが入った「梁朝偉パッケージ」が限定販売されたが、連日すぐに売り切れる人気ぶりだった。

 トニーは記者会見で「大規模なイベントは久しぶりで緊張したが、ファンの皆さんの熱気が感じられた。以前来た時は多くの人に囲まれて靴が脱げてしまったこともあった。以前は(会場が南浦洞地域で)舞台も小さかったが、会場が(海雲台区に)変わって盛大になり、釜山の街も大きく変化した」とにこやかに話した。

 今後の活動について尋ねられると、「デビューがドラマだったので、またドラマに出たいという思いもある。俳優としてはいろいろな役を経験したいが、私にはあまり悪役の台本が来ない(笑)。複雑な背景を持った役、連続殺人魔の役などもしてみたい」と語った。

 2021年に「シャン・チ― テン・リングスの伝説」でハリウッドデビューを果たしたことについては「ハリウッド進出というよりは縁だったと思う。米国の映画に出ることで多くの人に見てもらえる機会になった」と語った。同作では父親役を演じたが「10年前までは父親役ができると思っていなかった。イメージ転換ができてうれしかった」と振り返っていた。

 韓国映画も好んで見ているといい、共演したい俳優にはソン・ガンホとチョン・ドヨンを挙げた。

(文・写真 芳賀恵)

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