東京・中野のシンボルとして親しまれてきた複合施設「中野サンプラザ」が2023年7月2日、閉館した。1973年のオープン以来50年、都内有数のコンサート会場として、国内外のアーティストが公演してきた。同日行われた閉館セレモニーでは、中野サンプラザの金野晃会長が「中野サンプラザの名前と姿を心にとどめて頂いたすべての皆様に感謝を申し上げます」と語った。
中野サンプラザでは閉館を前に、5月3日から2カ月間、半世紀の集大成となる「さよなら中野サンプラザ音楽祭」を開催。大トリとなった最終公演は山下達郎だった。金野会長は「中野サンプラザは、日本の音楽シーンの移り変わりをつぶさに見つめてきた。東日本大震災の時は、家に帰れなくなった人を受け入れ、ホールに通じる階段や2階のフロアが毛布にくるまる人々でびっしりになったこともあった。人が集い、交流する場としての中野サンプラザの50年は、社会に支えてもらい、社会とつながりを強めてきた50年だった。中野サンプラザの名前と姿を心にとどめて頂いたすべての皆様に感謝を申し上げます」と話した。
また、セレモニーにはかかわりの深いミュージシャン・サンプラザ中野くんも駆けつけ、「この芸名でデビューして来年で40年。先輩の中野サンプラザさんには、いつも優しく応援してもらい、エンタメ業界を肩を組んで駆け抜けてきた気がする。新しいサンプラザ開館まで名前を守っていくので、新しい中野を楽しみに待とうではありませんか。50年お疲れ様でした」と呼びかけた。
(文・阿部陽子 写真・龐棟元)
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