2014年07月12日

「レクイエム 最後の銃弾」、10月4日公開決定 タイで大規模ロケ、香港骨太犯罪アクション

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 香港犯罪映画「レクイエム 最後の銃弾(原題:掃毒)」が10月4日、日本公開されることがこのほど決まった。かつてのジョン・ウー(呉宇森)監督作品を彷彿とさせる本格派“香港ノワール”だ。

 監督はジャッキー・チェン作品など娯楽アクション作品に定評のあるベニー・チャン(陳木勝)。主演は「奪命金」(ジョニー・トー監督)のラウ・チンワン(劉青雲)、「ドラッグ・ウォー 毒戦」のルイス・クー(古天楽)、「ビースト・ストーカー 証人」のニック・チョン(張家輝)。

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 薬物犯罪捜査担当の香港警察の警官3人が、タイの麻薬王と対決。3人の友情、裏切りを絡め、タイでのロケ撮影で描かれる骨太な作品となっている。2014年10月4日(土)、シネマート新宿、シネマート心斎橋ほかで全国順次公開。

作品写真:(c)2013 Universe Entertainment Ltd. All Rights Reserved.

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2014年04月29日

香港映画特集「パン兄弟の帰還、“極限”ミステリーの悦楽」 5月3日から4本一挙公開

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 香港出身の双子監督オキサイド・パン、ダニー・パンの4作品を一挙公開する特集「パン兄弟(ブラザーズ)の帰還、“極限”ミステリーの悦楽」が5月3日(土)スタートする。アジアのサスペンス、ホラー映画界を代表するパン兄弟。近作を一度に楽しめる貴重な機会だ。

 パン兄弟は90年代後半、タイを拠点に映画製作を本格化。「レイン」(99)、「The Eye アイ」(02)がヒットし、米ハリウッドでもサム・ライミ製作の「ゴースト・ハウス」(07)、ニコラス・ケイジ主演の「バンコック・デンジャラス」(08)を監督した。香港でも話題作を次々発表し、アジアのサスペンス、ホラー映画の第一人者となった。

 今回の特集で公開されるのはアーロン・クォック(郭富城)探偵を演じる「極限探偵」シリーズ3本と、ラウ・チンワン(劉青雲)主演の「惨殺のサイケデリア」(12)。いずれもパン兄弟得意の本格サスペンスで、5月3日から1週間ごとに連続公開される。

 第1弾は「影なきリベンジャー 極限探偵C+(原題:C+偵探)」(07)。タイ中華街の私立探偵チェン・タム(アーロン・クォック)に、ある女性の捜索依頼が入る。チェンが探し始めると、女性に関係する人物が次々遺体で発見される。

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 第2弾は5月10日公開の「冷血のレクイエム 極限探偵B+(原題:B+偵探)」(11)。娼婦惨殺事件が発生し、タイ警察の刑事チャック(リウ・カイチー)がチェンに協力を依頼。第2、第3の殺人事件が起き、チャックとチェンも何者かに命を狙われる。

 第3弾は5月24日公開の「コンスピレーター 謀略 極限探偵A+(原題:同謀)」(13)。両親の死の真相を探るため、チェンはマレーシアへ。タイ、マレーシア、中国・広州をまたにかけ、手がかりをつないで謎を解いていく。

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 第4弾は5月17日公開の「惨殺のサイケデリア(原題:追凶)」(13)。「自分を逮捕してほしい」と香港警察に現れた男と連続殺人事件の発生。担当刑事のワン(ラウ・チンワン)らが謎に巻き込まれる。

 特集「パン兄弟(ブラザーズ)の帰還、“極限”ミステリーの悦楽」は5月3日(土)、シネマート六本木ほかで全国順次公開される。

(文・遠海安)

作品写真:
「影なきリベンジャー 極限探偵C+」(c)2007 Universe Entertainment Ltd. All Rights Reserved.
「冷血のレクイエム 極限探偵B+」(c)2011 Universe Entertainment Ltd. All Rights Reserved.
「コンスピレーター 謀略 極限探偵A+」(c)2013 Universe Entertainment Ltd. All Rights Reserved.
「惨殺のサイケデリア」(c)2013 Universe Entertainment Ltd. All Rights Reserved.

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2014年03月04日

チョ・ジョンソク来日 映画「観相師」「逆鱗」 時代劇へ活躍の場広げ

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 韓国の俳優チョ・ジョンソクが2014年2月14日、東京都内で記者会見とファンミーティングを開催した。4月に予定されているドラマ「最高です!スンシンちゃん」の放送開始、ファンクラブ発足を記念しての来日となった。

 1980年生まれの33歳。2004年にミュージカル俳優としてデビュー。12年の映画「建築学概論」のコミカルな役で注目され、「最高です!スンシンちゃん」では人気アイドルのIU(アイユー)と共演。今年はヒョンビン主演の歴史映画「逆鱗」の公開も控えている。

 「最高です!スンシンちゃん」では芸能事務所社長役。クールに振る舞うものの、どこか抜けていて憎めないキャラクターを好演した。「少しプライドが高く、かっこつけようとするのに、なかなかかっこよくならないところが自分に似ている。かわいい魅力が出るよう役作りをした」と語った。

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 韓国では“国民の妹”と呼ばれ、大人気のIUとの共演。周りからは羨望ややっかみの言葉がかけられたという。キスシーンの撮影は、雨で撮影が何度も延期に。「天もやきもちを焼いているのかと思った」と話し、会場の笑いを誘っていた。

 ミュージカルからキャリアを始め、デビュー10周年を迎えた。ドラマ、映画と活動の場を広げているが「どんな形でも演技は変わらない。ミュージカルはライブなので、観客と一緒に呼吸して楽しむ。映画やドラマは映像が残り、コレクションとして価値がある。舞台以上に細部にこだわれる点もいいと思う」と持論を展開した。

 6月28日公開の「観相師」(13)では、韓国を代表する実力派ソン・ガンホと共演した。初の時代劇で「メークなど準備に時間がかかった」と苦労したそう。今年公開予定の「逆鱗」は、朝鮮時代の王暗殺を描く作品。自分の役を「当時の暗殺者。劇中かなりの人数を殺している」と語った。

 「最高です!スンシンちゃん」は2014年4月21日(月)、WOWOWプライムで放映がスタートする。

(文・写真 岩渕弘美)
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2013年10月29日

第26回東京国際映画祭 香港映画「激戦」ダンテ・ラム監督に聞く 「困難を乗り越える人間を描きたい。ニック・チョンとは言葉で表せない信頼関係だ」

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 第26回東京国際映画祭(10月17〜25日)ワールド・フォーカス部門で、香港映画「激戦」が上映された。総合格闘技(MMA)をテーマに、心に傷を負った男二人の奮闘と再起を描く。映画祭に合わせて来日したダンテ・ラム(林超賢)監督は「人がいかに困難を乗り越えるか。私の人生観に関連している」と語った。

 物語の舞台はマカオ。かつてチャンピオンとして無敵を誇ったファイ(ニック・チョン=張家輝)は、落ちぶれて借金取りに追われる日々を送る。富豪の息子チー(エディ・ポン=彭于晏)は、父の会社が倒産。格闘技で賞金を稼ぐため、ファイにコーチを頼み込む。やがて二人はタッグを組み、一発逆転の大勝負に打って出る。

 ニック・チョン、エディ・ポンが厳しいトレーニングを経て、見事な肉体とアクションを見せる。「ビースト・ストーカー 証人」(08) 、「コンシェンス 裏切りの炎」(10)、「密告・者」(10)、「ブラッド・ウェポン」(12)など骨太な物語が得意な監督が、その手腕をいかんなく発揮した作品だ。

 主なやり取りは次の通り。 

「ニックと自分はよく似ている。彼はどこかでチャンスを待っていた」
 ──主演のニック・チョンは、監督の「ビースト・ストーカー 証人」で、見違えるような演技を見せた。何が転機になったと思うか。

 彼とは2001年に知り合い、コメディー映画(『走投有路』)を撮った。とても楽しかったが、あんな厳粛な芝居で喜劇に出る俳優は初めてで、とても驚いた。その後もたびたびやり取りがあり、「証人」に至った。

 彼はどこかでチャンスを待っていたのではないか。しっかりした演技、それまでと違う自分を見せたかったのでは。自分の殻を打ち破り、コメディー専門のイメージを変えたかったのだろう。「証人」では、ためにためたものを一気に爆発させたようだった。「証人」が転機に見えるのは、そのせいかもしれない。

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 ──以後続けて起用している理由は。

 彼と私は物の考え方がよく似ている。長い付き合いで、監督と俳優として互いを信じている。文字や言葉で表せない信頼だ。だから私は「彼にはこれができるはず」と考えるだけでいい。逆に彼は私の作品に出ることで、それまでと違う効果を期待している。私にとって彼も、想像以上のことを見せてくれる俳優だ。だから起用を続けている。

 ──監督の作品は男と男の物語だったり、失敗を背負った人間が主人公であることが多い。なぜか。

 私の人生観に関連している。人は誰でも失敗や困難、問題を経験する。しかもそれらは常に身の回りで起きる。人生で前に進むためには、困難ををいかに克服するかが大切だ。人が困難を打ち破る状況が大好きなんだ。だから結果的に物語がそうなるのだと思う。

「テーマは自分で考える。人から与えられた物は撮れない」
 ──脚本家のジャック・ン(呉煒倫)とは、どんな形で物語を作っていくのか。

 だいたい私がアイデアを思いつき、彼に話して書いてもらうことが多い。彼は学校を出た直後から私と一緒に働いている。非常に重要なパートナーだ。感覚や情景などさまざまなことを話し合う。「ブラッド・ウェポン」以降は私も書きたくなり、自分で書くことも増えた。

 ──監督の作品は社会派の側面を持ちつつ、娯楽作品として楽しめる。香港映画界を取り巻く環境は変わり続けているが、「こういう映画は撮りたくない」と考えることはあるか。

 テーマは自分で考えるものだ。人から与えられたテーマは撮れない。あくまで自分が思いついた話で映画を作る。どんな方向性であれ、人から押し付けられたものは撮れない。「中国でも、香港でも、日本でも売りたい」と考えて撮るのでは、結局混乱するだけだ。中国なら中国だけ考えればいい。次の(香港で起きた警官殺害事件が題材の)「魔警(原題)」は、中国当局の検閲をパスしないかもしれないが、まずは作ってみる。通らないなら仕方がない。

 市場を先に考えるのではなく、自分の感性に従い、冷静に物語を作っている。あくまで自分が何を見せたいかが重要だ。商業的に撮るのもいいし、中国に合わせて撮るのもいいが、自分の発想でなければ意味がない。いい映画に地域性はなく、どこの国の人が見ても面白いものだ。

 ──監督自身が好きな映画監督や作品は。

 リンゴ・ラム(林嶺東)監督の作品。好きでよく見てきた。中国の検閲制度がなければ、僕の方がもっと激しい作品を撮るかもしれないね(笑)。

(文・写真 遠海安)

作品写真:(c)Bona Entertainment Company Limited
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2013年10月21日

「コールド・ウォー 香港警察 二つの正義」 リョン・ロクマン&サニー・ルク監督に聞く 緻密な犯罪アクション 「香港映画は死んでいない。香港のために撮りたかった」

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 香港犯罪アクション「コールド・ウォー 香港警察 二つの正義」が10月26日公開される。香港警察の複雑な内部構造と権力対立を、緻密な脚本と演出で描く力作だ。リョン・ロクマン(梁楽民)=写真右、サニー・ルク(陸剣青)=写真左=監督のデビュー作。二人は「香港映画は死んでいない。香港のために作品を撮りたかった」と語った。

 香港中心部の繁華街で爆破事件が起き、警官5人が車ごと拉致された。捜査を指揮する「行動班」の副長官・リー(レオン・カーファイ=梁家輝)は、大規模な救出作戦を展開する。人質にはリーの息子も含まれていた。次第に強引になるリーに、「保安管理班」トップの副長官・ラウ(アーロン・クォック=郭富城)は反発。次期長官の椅子をにらみ、現場と事務方のトップ同士が対立を深める一方、二人に汚職捜査機関が嫌疑をかける。

 2012年の香港アカデミー賞(香港電影金像奨)で主要9部門を独占。香港では中国語映画の年間興行収入1位、中国でも同5位を記録するヒットとなった。

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 主なやり取りは次の通り。

ヒントは米大統領選 知恵比べ+アクション
 ──2008年の米大統領選にヒントを得たと聞く。警察を舞台にした理由は。

 リョン:香港ではここ数年、市民の間に政治や体制への不満、不安がたまっていた。香港人はよく自分たちの町を「アジアで最も安全な都市の一つ」と言う。しかし、「今後も現制度は続くのか」「将来も大丈夫なのか」と心配している。香港政府が危機に直面し、内部対立が起きるが、解決されて安全な都市が維持される。僕らは映画を通してそれを示し、彼らを励ましたかった。

 ──主演2人の起用理由は。

 ルク:脚本を書く段階から俳優のイメージが必要だった。警察の副長官ポストといえば、40代後半がいい。考え抜いた末、2人に落ち着いた。レオンの役は警察の実働部隊。常に動いていてパワフル、覇気があるイメージなので、彼に決めた。クォックの役は頭脳部隊。CIA(米中央情報局)であれば情報分析官で、(米人気ドラマ『24 TWENTY FOUR』の主人公)ジャック・バウアーのような人物も想定した。

 ──参考にしたり、影響を受けた事件や出来事はあったか。

 リョン:物語は完全なフィクションだ。脚本を書く段階で、訪れる危機を想像して仮説を立てた。その上で、あんな事件が起きたら警察はどう動くか、警官の友人に意見を聞いた。危機自体は仮説だが、対応は警察の実際の動きとして描いている。

 ──香港ではこれまで犯罪アクションが多く作られてきた。他の作品と最も異なる点、アピールしたい点は。

 ルク:過去に多くの犯罪映画が作られたので、なかなか脚本が書けなかった。ヒントになったのは08年の米大統領選。(民主党で)ヒラリー(・クリントン)とオバマ(現大統領)が頭を使って戦っていた。組織の上層部の知恵比べにアクションを足せば、独自性が出せると考えた。

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現場支えて20数年 激動の香港映画界で
 ──リョン監督は美術、ルク監督は助監督としてのキャリアが長い。映画界に入った経緯は。

 ルク:僕は歩き始める前から、父に連れられ映画館に通っていた。家業は繊維関係。80年代以降、香港の繊維産業はどんどん中国に移り、仕事は減っていった。高校を出て働こうと思った時、たまたま新聞で「助手募集」の求人広告を見た。たどりついた先は映画会社の「シネマ・シティ」。配給部署で助手として採用された。しばらくして「君、制作部に入れ」と言われ、いつの間にか現場に出るようになり、今日に至る。高校卒業が85年、映画界入りは89年。長いね。業界でも長老だ(笑)。ここ十数年、香港映画は下り坂で、レベルも落ちていると思うよ。

 リョン:最近中国の短文投稿サイトで「香港映画は過去の遺物」とか「もう死んだ」なんて書かれて、すごく腹が立つ(笑)。僕らがまだ撮ってないのに、そんなこと言うなって。僕は94年に(映画会社の)「UFO」に入った。90年代、UFOは良作を多く生んだ。あの頃は美術を勉強した人間なら、現場のつらさをいとわなければ、仕事はいくらでもあった。それから今までずっと美術の仕事だ。

 ──香港映画は製作本数が減っている。現場の人々が一番苦労していることは。

 ルク:(しばらく考えて)先輩たちを批判することになるかもしれないが……映画製作にかかわる人間が、目先のことしか考えないようになった。投資に対する回収を過分に望むようになった。わずかな投資で、10日や15日の短期間で撮影し、利益を求める。するとどうしても品質は下がる。問題は深刻で悪循環を招いている。

 リョン:監督になる前のここ1〜2年、繰り返し先輩たちに言われてきた。「撮るなら中国へ行ったほうがいい。市場も大きいし、将来性もある」と。しかし、本当に香港映画に将来はないんだろうか。僕はしっかりした映画を撮り、香港の人たちに見てもらいたかった。今回も結果的に香港でもほかの国でも評価は高く、やればできるじゃないかと感じた。

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 ──製作の初期段階から中国市場を意識しなかったのか。

(二人同時に)考えなかった。香港のために撮ったんだ。

 ルク:中国で売ることはまったく考えなかった。社長(プロデューサーのビル・コン=江志強)に脚本を見せたら、「ああ、これは香港映画だな。合作映画にはならないだろう」と言う。その後、社長は「中国でも売れるのでは」と考え始め、現地でいろいろ意見を聞いてきた。中国で売るには脚本段階で当局の審査を受けなければならない。幸い細かい手直しだけで、ほとんど問題なく許可が下りた。

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