2018年02月21日

「8年越しの花嫁 奇跡の実話」佐藤健、大ヒット御礼舞台挨拶「上映されている時間が幸せ」

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 「8年越しの花嫁 奇跡の実話」の大ヒット御礼舞台挨拶がこのほど東京都内で開かれ、主演の佐藤健が出席した。佐藤は「素敵な物語をそのまま伝えることができれば、感動してもらえるし、映画もヒットする」と話した。

 佐藤はこの日、客席から登場。観客から「おめでとう」とヒットを祝う声がかかり、「うれしかった」と感動した様子を見せた。もとになったのは動画サイト「YouTube」の映像が話題になり、書籍化された実話。土屋太鳳との主演で映画化された。

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 佐藤は「(原作の主人公である)尚志さんと麻衣さんが素敵な奇跡を起こしてくれたおかげ。改めて感謝を伝えたい」と語った。

 また、第41回日本アカデミー賞で優秀主演男優賞を受賞したことに「役者の力はちっぽけなもの。どんな作品、役に出合い、どんなクリエイターと仕事をするかで生かされもするし、その逆もある。今回は瀬々監督のおかげだと思っている」と話した。

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 さらに、相手役の土屋も優秀主演女優賞を獲得。W受賞になったことに「賞を獲っても驚かない力を持っている。出会いがあれば今回のような素敵なことが起こるとずっと思っていた」と称えた。

 最後に「この映画が上映されているこの時間が、とても幸せ。少しでも続けばいいと思う。映画を応援、愛して下さって感謝しています」と話し、舞台挨拶をしめくくった。

(写真・文 岩渕弘美)

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「8年越しの花嫁 奇跡の実話」(2017年、日本)

監督:瀬々敬久
出演:佐藤健、土屋太鳳、北村一輝、浜野謙太、中村ゆり

全国公開中。作品の詳細は公式サイトまで。

http://8nengoshi.jp/#/boards/8nengoshi

作品写真:(C)2017映画「8年越しの花嫁」製作委員会
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2018年02月08日

「サニー 32」実際の事件モチーフに 白石和彌監督の犯罪サスペンス

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 「ずっと会いたかったよ、サニー……」。そう言って柏原(ピエール瀧)と小田(リリー・フランキー)は女性を拉致し、雪深い山の廃屋に監禁した。連れ去られたのは24歳の中学校教師・藤井赤理(北原里英)。「サニー」は「史上最も可愛い殺人犯」と呼ばれた11歳の少女の名で、ネットで神格化されていた。柏原と小田はサニーの狂信的な信者だった──。

 アイドルグループ「NGT48」から卒業を発表した北原里英が映画初主演。俳優やスタッフは白石和彌監督の「凶悪」(13)のメンバー再集結。脚本・高橋泉、主演のピエール瀧、リリー・フランキーで、衝撃的なサスペンス映画だ。

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 まずは「サニー事件」の説明から始まる。11歳の小学生女児が、同級生の女児の首をカッターナイフで切り付けて殺害した。加害者少女のかわいい容姿、3本指と2本指の決めポーズから“32=サニー”と名付けられ、ネットで神格化された。事件から14年。狂信的サニー・ファンの柏原と小田は、女性を拉致監禁する。

 「サニー 32」は、北原主演のアイドル映画を装っているが、紛れもなく白石監督による犯罪映画の流れをくむ。監禁には途中から参加者も増え、予想外のいざこざも発生。監禁場所が何者かに突き止められたため、廃屋から海の家に女性を移す。集団心理は悪い方向に動き、「自己批判」や「集団リンチ」などの陰惨な暴力にエスカレートしていく。

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 そんな中、ごく一般的な女性だった藤井が「サニー」と祭られて教祖へと神格化していく。監督と脚本家は1970年代以降に起きた実際の凶悪事件をなぞりながら、新たなドラマとして再構築した。

 作品のスーパーバイザーを務めた秋元康が要求した「北原主演映画を撮る」ことから企画が始まったという。白石作品ファンの北原は、劇中の藤井のように、白石組に放り込まれ、一皮むけた演技を見せる。ピエール瀧とリリー・フランキーの立場は「凶悪」と逆。力関係が面白い。

 中学生のいじめ、ネットの闇などさまざまなネタを使い、現代社会の暗部を大胆に料理した。白石組のぶれない姿勢が素晴らしい。アイドル映画と経験するのも、うっかり手を出すのも難しい。実際の事件をモチーフにした衝撃の犯罪サスペンスだ。

(文・藤枝正稔)

「サニー 32」

監督:白石和彌
出演:北原里英、ピエール瀧、門脇麦、リリー・フランキー、駿河太郎

2018年2月17日(土)、全国公開。作品の詳細は公式サイトまで。

http://movie-32.jp/

作品写真:(C)2018「サニー 32」製作委員会
タグ:レビュー
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2018年02月04日

ゆうばり映画祭がラインアップ発表 オープニングは「ジュマンジ ウェルカム・トゥ・ジャングル」

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 2018年3月15日〜19日に開かれる北海道夕張市の「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2018」は2日に札幌市内で記者会見を開き、ラインアップを発表した。オープニング作品はジェイク・カスダン監督の「ジュマンジ ウェルカム・トゥ・ジャングル」。1995年に公開された「ジュマンジ」の続編で、ビデオゲームの中に閉じ込められた高校生たちの冒険を描く。期間中は市内の「合宿の宿ひまわり」をメーン会場に、計114件の映画上映とイベントが行われる。

 招待作品部門はオープニング作品のほか、実話を元にしたインド映画「ダンガル きっと、つよくなる」、米国の日系三世監督スティーブン・オカザキが三船敏郎の映画人生に迫るドキュメンタリー「MIFUNE:THE LAST SAMURAI」など5本を上映する。

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 新人監督を発掘するファンタスティック・オフシアター・コンペティション部門には計9本がノミネート。国内353本、海外103本の合計456本の応募作から日本作品7本、海外作品2本を選んだ。瀬々敬久監督を審査委員長とする5人の審査員がグランプリや審査員特別賞などを選出する。

 企画上映「HKT48×48人の映画監督たち」では、アイドルグループHKT48のメンバーひとりひとりのために48人の監督が作った短編映画の中から19本を上映。“18歳未満お断り”のセクション「フォービデンゾーン」もますますパワーアップしてお目見えする。

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 今年のキービジュアルは、映画監督としてゆうばりを訪れたこともあるクリエイター、宇治茶氏の「はじめての映画祭」。映画祭キャラクターの「シネガー」や夕張市のご当地キャラ「メロン熊」も登場している。

(文・芳賀恵)

<招待作品>
「ジュマンジ ウェルカム・トゥ・ジャングル」【オープニング】
「ダンガル きっと、つよくなる」
「モリーズ・ゲーム」
「バトル・オブ・ザ・セクシーズ」(原題)
「MIFUNE:THE LAST SAMURAI」

写真1:映画祭関係者の記者会見後のフォトセッション
=札幌市内で2月2日、芳賀撮影

作品写真:「ジュマンジ ウェルカム・トゥ・ジャングル」=2018年4月6日(金)公開

キービジュアル:「はじめての映画祭」宇治茶

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2018年01月26日

「谷崎潤一郎原案 TANIZAKI TRIBUTE」舞台を現代に 耽美で濃厚な独自世界

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文豪・谷崎潤一郎の小説3作品を原案に、舞台を現代に置き換え、新進3監督が映画化したプロジェクト「谷崎潤一郎原案 TANIZAKI TRIBUTE」。2018年1月27日(土)から順次公開される。

「神と人との間」

 町医者の穂積(渋川清彦)と、親友で売れない漫画家の添田(戸次重幸)は、ともに熱帯魚屋で働く朝子(内田慈)に惚れている。穂積は朝子を譲り、添田と朝子は結婚する。しかし添田はすぐに愛人を作り、朝子を虐待し、穂積と朝子が不倫するようにけしかける。監督・脚本は「グレイトフルデッド」(14)、「下衆の愛」(16)の内田英治。

 谷崎が妻を友人の佐藤春夫に譲った「細君譲渡事件」を基にした短編小説が原案。屈折した愛情と奇妙な友情の間で、複雑に絡み合う三角関係を、監督は入念に描いた。いつもワイルド系な役が多い渋川が一転、ダサい衣装でとつとつとした抑えた演技。男の純愛を内面からにじみ出させ、哀愁を醸し出した。

「富美子の足」

 富豪の老人・塚越(でんでん)はデリヘルで見つけた富美子(片山萌美)を愛人にした。美しい足を偏愛して喜ぶ日々。フィギュア作家の甥・野田(渕上泰史)に、富美子の足の実物大フィギュア製作を依頼する。監督は「リュウグウノツカイ」(14)、「桜ノ雨」(16)のウエダアツシ。

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 女性の足に執着した老人のフェティシズムをでんでんが怪演する。老人の偏愛を受け入れた富美子だが、ストレスが限界に達すると、バッティングセンターで憂さ晴らし。しかし、センターは閉店してストレスの矛先は野田に向かい、眠っていたサディスティックな一面が開花する。富美子がマゾからサドへ変わり、リミッターが外れる後半が痛快だ。

「悪魔」

 大学入学のために上京した佐伯(吉村界人)は、閑静な住宅街にある林邸に下宿する。そこには大家の千枝と娘で高校生の照子(大野いと)、照子を偏愛する林家の親戚・鈴木(前田公輝)が住んでいた。監督は「オー!ファーザー」(14)の藤井道人。

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 谷崎の「悪魔」、「続悪魔」が原案。新しい環境に馴染めず、薬とアルコールに溺れる佐伯が幻覚から生み出す内なる悪魔。佐伯は照子や同級生・あゆみに惑わされ、小悪魔ぶりに翻弄され、崩壊していく。ホラー映画を思わせるダークなトーン、エロティシズムが融合したおぞましい作品だ。

「谷崎潤一郎原案 TANIZAKI TRIBUTE」で描かれる世界は、「鍵」、「痴人の愛」、「白日夢」、「卍」など、エロティシズムな作品群に近い。男の女に対する偏愛やフェティシズムなど、さまざまに屈折した愛を濃密に描いている。

(文・藤枝正稔)

「神と人との間」(2018年、日本)

監督:内田英治
出演:渋川清彦、戸次重幸、内田慈、山田キヌヲ、
萬歳光恵

「富美子の足」(2018年、日本)

監督:ウエダアツシ
出演:片山萌美、淵上泰史、武藤令子、山田真歩、福山翔大

「悪魔」(2018年、日本)

監督:藤井道人
出演:吉村界人、大野いと、前田公輝、遠藤新菜、山下容莉枝

2018年1月27日(土)、テアトル新宿ほかで全国順次公開。作品の詳細は公式サイトまで。

http://tanizakitribute.com/

作品写真:(C)「TANIZAKI TRIBUTE」製作委員会

タグ:レビュー
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2018年01月23日

クァク・ジェヨン監督新作「風の色」 一人二役の古川雄輝「頑張った分、楽しんで」

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 「猟奇的な彼女」(01)、「僕の彼女はサイボーグ」(08)のクァク・ジェヨン監督(韓国)が日本で撮影した映画「風の色」が、1月26日から全国で公開される。主演の古川雄輝が都内をはじめ各都市で上映記念イベントやキャンペーンに参加。ロケ地の札幌市で行われた先行上映会にも登場した。

 劇中でマジシャンを演じる古川は、Mr.マリックの指導を受けて見事な手さばきを披露している。舞台あいさつでは、一部のマジックを除き、本番直前に練習しただけでリハーサルなしで演じたエピソードを紹介した。観客役エキストラのダイレクトな反応を撮るためにクァク監督が取った演出方法だったが、「マジックは初めてなので所作も難しく、緊張した」と振り返った。クライマックスの海中イリュージョンのシーンでは、長時間の水中撮影がたたり低体温症と酸欠で倒れたことを明かし「これよりも大変な作品はなかったし、これからもないだろう(笑)。頑張った分、楽しんでもらいたい」と詰めかけたファンに呼びかけた。

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 クァク監督ら韓国のスタッフを迎えて東京や北海道で撮影した日韓合作映画。古川は国際合作映画への出演も多いが、今回の現場は特に興味深かったという。「独特なセリフ回しや演出に、文化や感覚の微妙な違いが出ている。普通の日本映画ではなく、海外の映画の吹き替えのつもりで見ると面白いと思う」と話していた。

 「風の色」は、同じ容貌の二組の男女が織りなす、ミステリーが加味されたラブストーリー。東京に住む涼(古川)は恋人ゆり(藤井武美)の死を知らされるが、旅先の北海道で彼女とうり二つの彩(藤井・二役)に出会う。彩は恋人のマジシャン隆(古川・二役)を海中イリュージョンの事故で失っていたが、隆は涼とそっくりだった。マジシャンを目指した涼はやがて「隆のドッペルゲンガー」と呼ばれるようになる。涼は隆が失敗したイリュージョンを再現するため真冬の知床に向かう。

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(文・写真 芳賀恵)

「風の色」(2017年、日本)

監督:クァク・ジェヨン
出演:古川雄輝、藤井武美、石井智也、袴田吉彦、小市慢太郎

2018年1月26日(金)、TOHOシネマズ日本橋ほかで全国公開。作品の詳細は公式サイトまで。

http://kaze-iro.jp/

写真1と2:古川雄輝=札幌市で2018年1月16日
作品写真:(C)「風の色」製作委員会
posted by 映画の森 at 14:53 | Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする