2014年02月21日

「最後の晩餐」 中韓合作で過去最高ヒット エディ・ポン&バイ・バイホー、約束と再会の恋

最後の晩餐.jpg

 中韓合作映画として過去最高のヒットを記録した映画「最後の晩餐」。台湾の人気若手俳優エディ・ポン(彭于晏)、中国の新進実力派女優バイ・バイホー(白百何)が主演。韓国映画「ラスト・プレゼント」(01)のオ・ギファン監督がメガホンを取った。中国を舞台にした甘く切ないラブストーリーだ。

 北京の高校。料理上手のリー・シン(エディ・ポン)は、思いを寄せる同級生・チャオチャオ(バイ・バイホー)のため、毎日弁当を手作りしていた。シェフを目指すリー・シンと、食器デザイナーを目指すチャオチャオ。やがて二人は付き合い始め、リー・シンがプロポーズ。しかし、チャオチャオは予想だにしない提案をする。

最後の晩餐2.jpg

 「お互いに夢をかなえていない今、一緒になるのはいや。5年後に再会し、まだ独身同士なら結婚しましょう」。呆然とするリー・シンだったが、やむなく一方的な申し出を受け入れる。チャオチャオはリー・シンを残し、一人上海へ旅立った。

 5年後。チャオチャオは上海で食器デザイナーとして独立し、北京で個展を開くまでになっていた。リー・シンも夢を実現。イケメン料理人として高級レストランで腕をふるっている。メディアにも引っ張りだこだ。5年前の「約束」を忘れていないチャオチャオに、リー・シンから電話が入った。

最後の晩餐3.jpg

 2度めのプロポーズを期待するチャオチャオだったが、リー・シンの言葉は残酷だった。「婚約者と近く式を挙げるんだ」。混乱したままリー・シンに再会したチャオチャオ。初めて会う美しい婚約者に心が張り裂けそう。一方のリー・シンには、口に出さない秘密があった──。

 リー・シン役のエディ・ポンは、台湾青春映画「ジャンプ!アシン」(11)、香港アクション映画「激戦」(13)と演技の幅を広げている。チャオチャオ役のバイ・バイホーは11年、中国で爆発的にヒットした恋愛映画「失恋33天 Love is not blind」で人気急上昇。中華圏の旬な若手二人を、オ・ギファン監督が繊細な演出で生かしている。

 別離契約、5年後の再会、心尽くしの料理、夢と恋愛と結婚。レトロな雰囲気を残す北京と、急速に発展する上海。中国の変化を象徴するさまざまな要素と、韓国メロドラマの王道的展開が自然に融合した。しみじみとした余韻、監督の優しい視線が味わい深い。

(文・遠海安)

「最後の晩餐」(2013年、中・韓)

監督:オ・ギファン
出演:バイ・バイホー(白百河)、エディ・ポン(彭于晏)、ペース・ウー(呉佩慈)、ジアン・ジンフー
(蒋勁夫)

2014年3月1日(土)、シネスイッチ銀座ほかで全国順次公開。作品の詳細は公式サイトまで。

http://bansan-movie.com/
タグ:レビュー
posted by 映画の森 at 17:03 | Comment(0) | TrackBack(0) | 中国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年01月12日

「グォさんの仮装大賞」 老人ホームを抜け出して 中国の名優ずらり 温か人間ドラマ

グォさんの仮装大賞.jpg

 中国映画「グォさんの仮装大賞」が1月11日、公開された。老人ホームのお年寄りたちが、人気テレビ番組への出演を目指し、こっそりホームを抜け出す物語。「こころの湯」(99)などのチャン・ヤン(張揚)監督最新作だ。

 出演は「古井戸」(87)の名優ウー・ティエンミン(呉天明)、「孔子の教え」(09)のシュイ・ホァンシャン(許還山)ら。舞台は中国北西部。妻を亡くしたグォさん(シュイ)は、チョウさん(ウー)を頼って老人ホームへ入る。気力を失うグォさんを励ます入居者たち。ある日、チョウさんがテレビの人気番組「仮装大賞に出よう」と提案。一行はおんぼろバスに乗り、こっそりホームを抜け出す――。

グォさんの仮装大賞2.jpg

 ホームの入居仲間には「初恋のきた道」(99)の女優リー・ビン(李濱)、「活きる」(94)のニウ・ベン(牛犇)、中国パントマイム界の先駆者ワン・ダーシュン(王徳順)ら、ベテラン俳優がずらり。笑って笑って、ほろりとさせる人間ドラマに深みを与えている。

 「胡同のひまわり」(05)では親子の葛藤を描いたチャン監督。「グォさんの仮装大賞」では、一人っ子政策に伴う中国の高齢化に焦点を当てた。

 チャン監督は製作の動機を「両親との関係が良好でなかった私は、家族、特に父と子の関係を問う作品を作ってきた。彼らが年老いた今、身近な高齢者である両親が何を考えてきたか、理解したいと強く思うようになった」と説明。中国の高齢者を取り巻く環境について「受け皿の老人ホームは十分役割を果たせていない。お年寄りの孤独死も起きている。彼らの思いに触れ、高齢者問題にスポットを当てたかった」と話している。

(文・遠海安)

「グォさんの仮装大賞」(2012年、中国)

監督:チャン・ヤン(張揚)
出演:シュイ・ホァンシャン(許還山)、ウー・ティエンミン(呉天明)、リー・ビン(李濱)、ワン・ダーシュン(王徳順)

2014年1月11日(土)、シネマート新宿、シネマート心斎橋ほかで全国順次公開。作品の詳細は公式サイトまで。

http://guosan.jp/


作品写真:(c)2012 Desen International Media Co., Ltd
タグ:レビュー
posted by 映画の森 at 09:44 | Comment(0) | TrackBack(0) | 中国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年01月08日

「ドラッグ・ウォー 毒戦」 ジョニー・トー、初の中国アクション大作 大規模麻薬取引の裏描く

ドラッグ・ウォー 毒戦.jpg

 中国大規模麻薬取引の闇を描く「ドラッグ・ウォー 毒戦」。“香港ノワール”の顔、ジョニー・トー(杜[王其]峰)監督が、中国本土で初めて撮った犯罪アクション大作である。

 中国・津海。コカイン製造工場で爆発事故が起き、香港人のテンミン(ルイス・クー=古天楽)が車で逃亡。途中で衝突事故を起こし、病院に運ばれる。公安警察の麻薬捜査官・ジャン(スン・ホンレイ=孫紅雷)は、テンミンが麻薬取引にかかわっていると判断。テンミンを利用し、犯罪組織に大規模な架空取引を仕掛ける。

 主な舞台は原料供給地の粵江と、完成した麻薬の積み出し港となる津海。2カ所の警察は合同捜査チームを組み、潜入捜査で組織壊滅を試みる。ジャンは捜査の過程で、組織が韓国、日本の裏社会と連携していると知る。さらに、テンミンの部下の麻薬工場に踏み込んだ際、警察側は予想外の反撃を受け、多くの死傷者が出る。いぶかしんだジャンが追求すると、テンミンは「本当の黒幕は“香港の七人衆”だ」と話し始める──。

ドラッグ・ウォー 毒戦2.jpg

 「ザ・ミッション 非情の掟」(99)、「エレクション」(05)、「エグザイル 絆」(06)など、香港を舞台に数々の傑作犯罪映画を生んだトー監督。今回は常連俳優ルイス・クーに加え、中国を代表する演技派の1人、スン・ホンレイを起用した。

 粵江から津海へ。いずれも架空の都市だが、粵江は中国南部の珠海、津海は北東部の天津を思わせる。文字通り中国を縦断する大規模摘発作戦だ。しかし、舞台は広がったものの、監督の持ち味が発揮されたとは言いがたい。超高層ビルが林立する香港は「縦」の空間。中国大陸はどこまでも広い「横」だ。湿った香港に乾いた大陸。狭い路地や人ごみでは切れ味鋭い監督の演出が、大陸では空を切るようだ。香港と中国の違いを改めて感じさせられる。

 中国当局の検閲も少なからぬ影響を与えた。監督は語っている。「香港とは異なる手法をとらざるを得なかった。公安は言う。『あまり人を死なせるな。銃を撃つな』と。要求に応えているうち、私の考えていたものとは全然違う作品になってしまった。“大陸で撮ったジョニー・トー映画”だと思ってほしい。申し訳ない」

 とはいえ、警察と組織の息詰まる取引、銃撃戦など見ごたえ十分。スン・ホンレイの演技にも凄味と味わいがある。名監督が迷いつつ撮った、珍品といえるかもしれない。

(文・遠海安)

「ドラッグ・ウォー 毒戦」(2013年、香港・中国)

監督:ジョニー・トー
出演:ルイス・クー、スン・ホンレイ、クリスタル・ホアン、ウォレス・チョン、ラム・シュー

2014年1月11日(土)、新宿シネマカリテほかで全国順次公開。作品の詳細は公式サイトまで。

http://www.alcine-terran.com/drugwar/

作品写真:(C)2012 Beijing Hairun Pictures Co., Ltd. All Rights Reserved.

タグ:レビュー
posted by 映画の森 at 14:19 | Comment(0) | TrackBack(0) | 中国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年12月30日

「特集 ロウ・イエ、雑踏の中の愛と孤独」 1月4日から「ふたりの人魚」など3作品 新作「パリ、ただよう花」公開記念

「スプリング・フィーバー」.jpg

 中国の映画監督ロウ・イエ(婁Y)の代表作3本を集めた企画上映「特集 ロウ・イエ、雑踏の中の愛と孤独」が1月4日、東京・渋谷でスタートする。

 新作「パリ、ただよう花」(渋谷アップリンク、新宿K'sシネマほかで全国順次公開中)の公開を記念したもの。上映作品は「ふたりの人魚」(00)、「天安門、恋人たち」(06)、「スプリング・フィーバー」(09)の3作品だ。

「ふたりの人魚」.jpg 「天安門、恋人たち」.jpg

 上海が舞台の「ふたりの人魚」は、実力派女優ジョウ・シュン(周迅)主演。天安門事件に触れた「天安門、恋人たち」は、中国当局がカンヌ国際映画祭での無許可上映を問題視。監督は5年間の製作・上映禁止処分を受けた。同性愛を題材とした「スプリング・フィーバー」は、製作禁止期間中に家庭用カメラで撮影された作品。第62回カンヌ国際映画祭で脚本賞を獲得している。

「パリ、ただよう花」.jpg

 「パリ、ただよう花」は、北京からパリへ来た若い女性教師が主人公。人種、文化、暴力、愛、性に揺れる日常を描いている。「特集 ロウ・イエ、雑踏の中の愛と孤独」は1月4〜10日、渋谷アップリンクで開催される。

posted by 映画の森 at 11:11 | Comment(0) | TrackBack(0) | 中国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年12月09日

「楊家将 烈士七兄弟の伝説」 身を挺して父守る 愛と勇気の兄弟愛 中国人気歴史小説を映画化

楊家将 烈士七兄弟の伝説.jpg

 中国で「三国志」と並び高い人気を誇る歴史小説「楊家将」。宋(960〜1279年)の建国期、北方の敵国・遼と戦った楊一族の物語だ。

 楊一族は家長の父・楊業を、7人の息子たちが支えていた。戦略家で冷静な長男・楊延平(イーキン・チェン)。率直で勇敢な次男・楊延定(ユー・ボー)。弓術の天才・三男の楊延安(ビック・チョウ)。自由を愛する楽天家・四男の楊延輝(リー・チェン)。心優しく知的な五男・楊延徳(レイモンド・ラム)。槍とカンフーの達人・六男の楊延昭(ウーズン)。実直な正義感の七男・楊延嗣(フー・シンボー)。兄弟は力を合わせて父を支え、国を守っていた。

楊家将 烈士七兄弟の伝説2.jpg

 しかし、そんな楊一族の隆盛を苦々しく見つめる人々もいた。宰相・潘仁美の一族だ。楊家と潘家の対立が深まり衝突が起きたところ、「北方から遼の大軍が侵入してきた」と一報が入る。先鋒隊として進軍した楊業は、敵の猛攻、潘仁美率いる本隊の撤退で敗走。楊業も大けがを負う。父の窮地を知った7兄弟は、救出のため前線へ向かうが──。

 見どころはなんといっても、中華圏を代表する人気俳優が顔をそろえたこと。長男役のイーキン・チェンは、歌に演技に活躍する香港のトップスター。三男役のビック・チョウは台湾の人気アイドルグループ「F4」、六男のウーズンは「飛輪海(フェイルンハイ)」のメンバー。父役は香港のベテラン俳優、アダム・チェンが演じている。

楊家将 烈士七兄弟の伝説3.jpg

 困難にさらされた父を、7人の兄弟が力を合わせて守り抜く。兄弟それぞれの描き分け、異なる持ち味を比べるのも楽しい。スケールの大きいロケ撮影も見ものだ。

 監督はレスリー・チャン主演「キラーウルフ 白髪魔女伝」(93)、ジェット・リー主演「SPIRIT」(06)のロニー・ユー。「兄弟は『何があっても父を連れ帰る』と誓っている。自分が正しいと信じる心に従い、決してあきらめない強さ。愛、勇気、信念の物語だ」と話している。

(文・遠海安)

「楊家将 烈士七兄弟の伝説」(2013年、中国・香港)

監督:ロニー・ユー
出演:ウーズン、ビック・チョウ、イーキン・チェン、
アダム・チェン、ユー・ボー

2013年12月14日、シネマート六本木ほかで全国順次公開。作品の詳細は公式サイトまで。

http://www.u-picc.com/yokasho/

作品写真:(C)2013 Pegasus Motion Pictures (Hong Kong) Ltd. All Rights Reserved.

タグ:レビュー
posted by 映画の森 at 17:21 | Comment(0) | TrackBack(0) | 中国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする