2018年10月09日

「ブレイン・ゲーム」ホプキンス主演サイコスリラー 着眼点、映像美に注目

1.jpg

 米連邦捜査局(FBI)特別捜査官のジョー(ジェフリー・ディーン・モーガン)と、若き相棒キャサリン(アビー・コーニッシュ)は連続殺人事件の捜査に行き詰まり、元同僚のジョン・クランシー博士(アンソニー・ホプキンス)に助けを求める。すでに引退した博士だったが、事件に特別な感情を抱き、容疑者チャールズ・アンブローズ(コリン・ファレル)を追跡する──。

 「羊たちの沈黙」(91)のアンソニー・ホプキンスが製作総指揮、主演を務めたサイコスリラーで、いわくつきの作品だ。脚本は当初、デビッド・フィンチャー監督の大ヒット作「セブン」(95)の続編として書かれた。しかし企画は暗礁に乗り上げ、15年に独立作品として作られたものの、米国の配給会社が倒産。曲折を経てやっと日本公開にこぎつけたという。監督はブラジル出身の新星アルフォンソ・ポヤート。原題「Solace」は「慰める、和らげる」を示す。

2.jpg

 猟奇殺人事件を追う捜査官を描いた「セブン」をベースに、ホプキンス演じる博士が活躍する物語。「羊たちの沈黙」の“レクター博士”から毒気を抜き、心に傷を負わせた印象だ。ポイントは博士が超能力を持つこと。他人の物に触れると過去や未来が見える。さらに連続殺人犯が、博士以上の超能力を持ち、独自理論でターゲットを選び殺害している。

 面白いのは、超能力者同士の対決に、若い捜査官のキャサリンが懐疑的な目を向けていること。精神科医なのでスピリチュアルな力を信じないが、博士と捜査することで、お互いを理解、信頼していく。サイドストーリーとしてうまい隠し味となっている。

3.jpg

 超能力をビジュアル化するため、一瞬のフラッシュバック映像、「ザ・リング」(98)の呪いのビデオのように意味深なイメージ画像が多用され、独特のテンポを生んでいる。猟奇的な描写、不意を衝くショック演出、カーアクションまで使い、犯人との頭脳戦をテンポよく描く。

 貫録のホプキンスに、モーガンとコーニッシュが好演。ファレルの不気味な演技が後半を支配する。最近サイコスリラーは出尽くした感があったが、着眼点の面白さとスタイリッシュな映像美が際立つ掘り出し物だ。

(文・藤枝正稔)

「ブレイン・ゲーム」(2015年、米国)

監督:アルフォンソ・ポヤート
出演:アンソニー・ホプキンス、コリン・ファレル、ジェフリー・ディーン・モーガン、アビー・コーニッシュ

2018年10月6日(土)、新宿武蔵野館ほかで全国順次公開。作品の詳細は公式サイトまで。

http://braingame.jp/

作品写真:(C)2014 SUPERSENSORY, LLC

posted by 映画の森 at 15:23 | Comment(0) | 米国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。