2017年01月12日

「ネオン・デーモン」ファッション業界の嫉妬と狂気 レフン監督、独自に幻想的に

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 誰もが目を奪われる美しさを持つ16歳のジェシー(エル・ファニング)は、トップモデルになる夢をかなえるため、田舎町からロサンゼルスへやってくる。すぐに一流デザイナー、カメラマンの心をとらえると、ライバルたちが嫉妬の炎を燃やす──。

 カンヌ国際映画祭監督賞の犯罪アクション「ドライヴ」(11)で、世界中の映画ファンを魅了したニコラス・ウィンディング・レフン監督。次作「オンリー・ゴッド」(13)はタイに舞台を移し、暴力を前面に押し出す復讐劇だった。今回は一転、ファッション業界の嫉妬と狂気をスタイリッシュな映像で描く。

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 表の華やかさと裏腹に、実情は女のドロドロした感情が渦巻くトップモデルの世界。マネキンのような冷静さを装いながら、燃え上がる野心をぶつけ合い、狂気の牙をむく女たち。映像はスタンリー・キューブリック、デビッド・リンチのように独創的で説明を排除した表現で、観客を突き放す。

 赤、青、紫、緑などの色を画面に配しながら、真っ白い空間や左右対称の構図を多用する。キューブリック的で人工的な映像美だ。迷宮世界に踏み込んだジェシーは、脳の中で時おり幾何学模様を見る。「2001年宇宙の旅」(68)で、宇宙飛行士が見た脳内世界のようだ。

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 一方、音楽はクラシカルなアナログシンセで作り出した1970年代風エレクトロ・ミュージックが前面に。「タクシー・ドライバー」(76)のバーナード・ハーマンの曲を彷彿とさせるなど、迷宮に踏み込んだジェシーの悪夢に寄り添っていく。

 「ドライヴ」、「オンリー・ゴッド」で暴力と狂気を直接表現したレフン監督。今回は内面に湧き上がる狂気を幻想的に描いた。難解で内省的な世界は観る者を選ぶが、独創的な映像は観客を惑わせるだろう。静かな狂気を切り取る衝撃作だ。

(文・藤枝正稔)

「ネオン・デーモン」(2016年、仏・米・デンマーク)

監督:ニコラス・ウィンディング・レフン
出演:エル・ファニング、キアヌ・リーブス、カール・グルスマン、クリスティーナ・ヘンドリックス、ロバータ・ホフマン、ジェナ・マローン

2013年1月13日(金)、TOHO シネマズ 六本木ヒルズほかで全国順次公開。作品の詳細は公式サイトまで。

http://gaga.ne.jp/neondemon/

作品写真:(C)2016, Space Rocket, Gaumont, Wild Bunch
posted by 映画の森 at 10:02 | Comment(0) | TrackBack(0) | フランス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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