2016年11月17日

「胸騒ぎのシチリア」スウィントン×ファインズ、往年のドロン主演名作リメイク

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 世界的に人気のロック歌手マリアン(ティルダ・スウィントン)は、痛めた声帯と心を癒やすため、年下の恋人ポール(マティス・スーナールツ)とイタリア・シチリアの島で優雅な時間を過ごしていた。そこへ元恋人で音楽プロデューサーのハリー(レイフ・ファインズ)が娘のペン(ダコタ・ジョンソン)を連れて押しかけてくる──。

 シチリアのパンテッレリーア島を舞台に、男女4人の入り組んだ欲望と愛憎を描いた「胸騒ぎのシチリア」。ジャック・ドレー監督、アラン・ドロン主演のフランス映画「太陽が知っている」(69)のリメイクだ。「ミラノ、愛に生きる」(09)のルカ・グァダニーノ監督が同作に続き、主演のスウィントンとタッグを組んだ。

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 マリアンの新旧恋人とその娘が、陽光降り注ぐ美しい島で一緒に過ごす。祭りのせいで泊まる場所がないハリー親子を、マリアンは友人に借りたプール付き別荘に泊めることに。実はマリアンにポールを紹介したのはハリー。寡黙なポールと対照的に、ハリーは陽気で社交的だ。マリアンの心は二人の間で再び揺れる。一方、ポールは美しいペンに心ひかれていく。ハリーはマリアンとの復縁を願っている。複雑に入り組む4人の嫉妬、欲望はやがて思わぬ事件を巻き起こす。

 声帯手術で話せない設定のスウィントンに対し、ハリーを演じたファインズが弾ける。寡黙でストイックな役が多いファインズだが、今回は陽気で厚かましいひげ面おやじ。過去に英人気バンド「ローリングストーンズ」をプロデュースしたというハリー。ストーンズの曲を熱唱し、全裸でプールを泳ぎ、立ち小便までする始末。無神経なハリーにポールは嫉妬する。

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 そんな陽気な舞台と裏腹に、後半は予期せぬ事件が発生。疑心暗鬼とシリアスな心理描写、サスペンスタッチで観客を惑わせる。ドロン主演のオリジナルは落ち着いた大人のトーンだったが、今回は変幻自在のファインズがけん引。主人公がロック歌手であることや、ストーンズの曲を使うことで現代的な味付けになった。エネルギッシュで緩急際立つ作品だ。

(文・藤枝正稔)

「胸騒ぎのシチリア」(2015年、イタリア・フランス)

監督:ルカ・グァダニーノ
出演:ティルダ・スウィントン、ダコタ・ジョンソン、レイフ・ファインズ、マティアス・スーナールツ

2016年11月19日(土)、新宿ピカデリー、シネスイッチ銀座ほかで全国公開。作品の詳細は公式サイトまで。

http://sicily-movie.com/

作品写真:(C)2015 FRENESY FILM COMPANY. ALL RIGHTS RESERVED

posted by 映画の森 at 12:55 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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