2016年08月27日

「ライト/オフ」闇に何かがうごめく 日常に潜む恐怖、シンプルに

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 一人暮らしのレベッカ(テリーサ・パーマー)は、実家の幼い弟から「電気を消すと何かが来る」と打ち明けられる。実はレベッカが家を出たのも「それ」が原因だった。おびえる弟のため、今度は逃げずに正体を突き止めようと決意する──。

 動画配信サイトで約1億5000万回再生された短編恐怖映像「Light Out」の長編映画化。監督はデビッド・F・サンドバーグ、製作は「ソウ」(04)や「死霊館」(13)のジェームズ・ワン。

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 暗闇の気配におびえる女性を、約2分40秒に収めた「Light Out」。シンプルな短編映像を長編化するため「それ」=怪物ダイアナとレベッカの背景を掘り下げている。アイデアは共通するが、完全に別物のバージョンアップ版といえよう。

 誰もが一度は感じる闇への恐怖。日常に潜む感情をシンプルなアイデアで描く。電気を消した闇にダイアナが現れるだけではただの脅かしだが、ダイアナが生まれた背景、子供時代のレベッカの母ソフィー(マリア・ベロ)との関係に踏み込んだ。

 ダイアナは闇の中を縦横無尽に動き、レベッカ家族の前に現れる。床のきしみ、何気ない音で観客に恐怖を感じさせる。米国でリメークされた日本製ホラー「リング」や「呪怨」の影響が色濃い。光と闇の間を移動するダイアナは、「呪怨」の伽椰子に通じるものがある。

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 正統ホラーの手法は製作のジェームズ・ワンならでは。デビュー作とは思えぬサンドバーグ監督の緩急自在な演出も冴える。監督は続いてワン製作の「アナベル 死霊館の人形」続編でメガホンを取る。狭く深く小さな世界を舞台に、話を大きく広げなかったのが成功のポイントだ。怪物に魅入られた家族の恐怖を、濃厚に描いたホラーの佳作といえよう。

(文・藤枝正稔)

「ライト/オフ」(2016年、米国)

監督:デビッド・F・サンドバーグ
出演:テリーサ・パーマー、ガブリエル・ベイトマン、ビリー・バーク、アレクサンダー・ディペルシア、マリア・ベロ

2016年8月27日(土)公開。作品の詳細は公式サイトまで。

https://warnerbros.co.jp/c/movies/lights-off/

作品写真:(C)2016 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC. AND RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC ALL RIGHTS RESERVED

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posted by 映画の森 at 10:04 | Comment(0) | TrackBack(0) | 米国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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