2016年06月26日

「TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ」宮藤官九郎の地獄青春コメディー 神木隆之介、17歳妄想少年を好演

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 普通の高校生・大助(神木隆之介)は、同級生のひろ美ちゃん(森川葵)が大好き。修学旅行中に大助は事故に遭い、目覚めると前には真紅に染まった空と炎。ドクロが転がり、人々が責め苦を受ける地獄だった──。

 宮藤官九郎監督、脚本の新作「TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ」は、事故で地獄行きとなった主人公が転生を繰り返し、大好きな女子へ思いを告げるまでを、監督ならではの奇想天外な語り口で描いた青春コメディーだ。

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 監督の発想は相変わらず突飛で、今回は地獄と青春を組み合わせている。17歳の大助はキスもしたことがない童貞少年。現世への未練たっぷりで地獄に落ち、生への執着は人一倍だ。大助は幸運にも、えんま様の裁きを受ければ、現世に7度転生できるチャンスをつかむ。しかし転生しても人間に戻れるとは限らない。大助は「地獄農業高校」で特訓を積み、さまざまな生き物に姿を変える術を学ぶ。

 宮藤監督が描く地獄はおどろおどろしくない。観客が「行ってみたい」と思えるような、ヘビーメタルが流れる奇想天外な地獄。ポップで楽しい世界だ。監督の脳内には思春期の少年が住み着いているのではないか。その少年が抱く妄想こそが、創作の原動力になっているように感じる。大助を動かすのは「女子とキスしたい」童貞パワー。監督がいつまでも忘れない青臭い情熱が、輪廻転生コメディーに結実した。

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 俳優たちの熱演も特筆に値する。地獄パートで悪魔メイクで熱演する長瀬智也をはじめ、桐谷健太、清野菜名、古田新太ら個性派のほか意外な著名人が地獄の住人となって怪演。かなり恥ずかしい役を堂々と演じた神木もいい。

 実際の事故を連想させる部分があるとして、一度は公開延期になった作品。監督の突き抜けた才能が炸裂した1本だ。

(文・藤枝正稔)

「TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ」(2016年、日本)

監督:宮藤官九郎
出演:長瀬智也、神木隆之介、尾野真千子、森川葵、桐谷健太

2016年6月25日(土)、全国公開。作品の詳細は公式サイトまで。

http://tooyoungtodie.jp/

作品写真:(C)2016 Asmik Ace, Inc./TOHO CO., LTD./J Storm Inc./PARCO CO., LTD./AMUSE INC./Otonakeikaku Inc./KDDI CORPORATION/GYAO Corporation
posted by 映画の森 at 09:40 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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