2014年12月22日

日中合作映画「真夜中の五分前」三浦春馬・行定勲監督トーク「言葉と国境越え、ぶつかり合い、分かり合えた」

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 日中合作恋愛ミステリー映画「真夜中の五分前」主演の三浦春馬、行定勲監督が2014年12月20日、東京・早稲田大学の「第27回早稲田映画まつり」でトークショーに参加した。中国での撮影について三浦は「わくわくした」、行定監督は「(日中関係が冷え込む)こういう時期だからこそ作りたかった」と語った。

 本多孝好の同名人気小説の舞台を中国・上海に移し、日本、中国、台湾の俳優、キャストで製作した。時計修理工の日本人青年(三浦)が、中国人の双子の姉妹(劉詩詩=リウ・シーシー、2役)に出会い、ひかれていく物語。異国情緒あふれる上海の街、ゆっくり流れる時間が、静かな余韻を残す作品だ。

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 ほぼ全編中国語のせりふに挑んだ三浦。流ちょうな発音は現地の人々も太鼓判を押したほど。出演の理由を「踏み入れていないジャンルに行きたい気持ちがいつもある。行定監督の作品に出るのも初めて。中国語の勉強が必要ならやろう、と。わくわくする気持ちが一番だった」と語った。

 中国語での演技について、三浦は「言葉は違うが、あまり差を感じなかった」と説明。現場ではまず、通訳を通して中国人俳優と考えを共有した。「芝居に入れば(相手役の)せりふの奥の感情が伝わってくる。何も問題はない。きちんと心で通じ合っていた。根底に流れる芝居の『血』は変わらなかった」と話した。

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 日中関係が冷え込む今、合作映画を撮った経緯について、行定監督は「(日本の関係者には)『何が起こるか分からない』、『危険だ』と言われた」という。だが、中国側のプロデューサーは一貫して前向きだった。「尖閣(諸島=中国名・釣魚島)の問題や反日デモがあっても『大丈夫、やりましょう』と言ってくれた。こういう時代だからこそ、乗り越えて作りたかった。たかが映画じゃないか。それさえ作れない世の中じゃだめだ」と言葉に力を込めた。

 実際に日中台の俳優、スタッフが混じった現場は「ぶつかりまくりだった」と行定監督。スケジュール進行や段取りの違いでストレスも感じたというが、大切だったのは「怒っている時はしっかり目を見て、直接感情を伝えること。僕は北京語(中国語)が分からないから、音より相手の表情が強く自分の中に入ってくるようになった」と振り返った。一方で、現場では「中国人スタッフの笑顔にいつも救われた」という。

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 最後に会場の学生たちに向け、監督は「国境を越え、現地の人たちと出会うことで何かを知ることができる。知らないと概念、想像で語るだけになる。ニュースをうのみにするだけ。人間と人間がぶつかり合い、いろいろなことが分かったことが一番重要だった。若い人も続いてほしい」と呼びかけた。

(文・遠海安 写真・岩渕弘美)

「真夜中の五分前」(2014年、日本・中国)

監督:行定勲
出演:三浦春馬、リウ・シーシー(劉詩詩)、チャン・シャオチュアン(張孝全)

2014年12月27日(土)、新宿バルト9ほかで全国公開。作品の詳細は公式サイトまで。

http://mayonaka5.jp/

作品写真:(C) 2014 “Five Minutes to Tomorrow” Film Partners
posted by 映画の森 at 10:52 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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