2014年11月28日

「寄生獣」人体にやどる新種生物 人気漫画の映画化 最新視覚効果で

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 高校生の泉新一(染谷将太)はある日、未知の生物に右手を食われた。地球に突然現れたこの生命体は通称・パラサイト。人間の脳を食い、身体をやどり木にする新種の知的生物だ。ところが、新一を襲ったパラサイトは脳を食うのに失敗。右手に寄生してしまう──。

 1988年に連載が始まった漫画「寄生獣」。95年まで全64話が発表された人気作品だ。05年、米国が映画化権を買ったが企画は頓挫。今回「ALWAYS 三丁目の夕日」(05)、「永遠の0」(13)の山崎貴監督がメガホンを取った。米国で映画化が発表された際、山崎監督は「スタッフとしてでも参加したい」というほどほれ込んでいたという。

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 パラサイトの野望は地球侵略だ。食物連鎖の頂点に立つ人間にとりつき、脳と体を乗っ取っていく。テーマは「侵略SF映画」の王道といえよう。ハリウッドで何度も映画化された「ボディ・スナッチャー」シリーズもその系統である。

 「寄生獣」が過去の作品と違う点は、新一が右手に巣食ったパラサイト・ミギー(阿部サダヲ)と共存していることだ。単純に人間とパラサイトが戦う物語ではなく、平凡な高校生・新一の成長物語にもなっている。

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 パラサイトは敵対する人間には攻撃的で、殺すだけでは飽き足らず体をむしばんでいく。体内に入り込み、元の人間になりすます。社会にまぎれ込み、普通に暮らしていく。パラサイトが正体を現す瞬間が衝撃的だ。顔が割れて真の姿が飛び出し、高速で人を攻撃する。最新のCG(コンピューター・グラフィックス)による特殊効果で、ルーツは侵略SFの古典「遊星からの物体X」(82)だろう。

 特殊メイクの第一人者、ロブ・ボッティンがアナログで編み出した技術は、デジタル化で「バイオハザード」シリーズを経由し、日本の「寄生獣」まで受け継がれた。VFX(視覚効果)監督出身の山崎監督だからこそできた作品。衝撃的なパラサイトの変身、ユーモラスなミギーの外見が、高品質な映像でスクリーンに映し出される。

 「寄生獣」は多くの謎を残しながら幕が閉じられる。後編は来年4月に「寄生獣 完結編」として公開される。

(文・藤枝正稔)

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「寄生獣」(2014年、日本)

監督:山崎貴
出演:染谷将太、深津絵里、阿部サダヲ、橋本愛、東出昌大、大森南朋、北村一輝、余貴美子、國村隼、浅野忠信

2014年11月29日、全国公開。作品の詳細は公式サイトまで。

http://www.kiseiju.com

作品写真:(C)映画「寄生獣」製作委員会
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posted by 映画の森 at 09:46 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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