2014年10月31日

「美女と野獣」 流麗でじょう舌な映像 神話取り入れ 古典に新たな息吹

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 バラを盗んだ父の身代わりとなり、野獣(ヴァンサン・カッセル)の城に閉じ込められた娘ベル(レア・セドゥ)。ベルは死を覚悟したが、野獣はディナーを一緒にとること以外、何も要求しない。ベルはやがて、野獣のもう一つの姿に気づく──。

 フランスの古典「美女と野獣」。単行本に絵本、ジャン・コクトー監督の実写映画版(46)、ディズニーのアニメーション版(91)、ミュージカルなどさまざまな形で表現されてきた。今回メガホンをとったクリストフ・ガンズ監督は、ギリシャ、ローマ神話の要素を取り入れ、人間と自然のつながりを描いている。

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 監督はフランスの獣(けもの)伝説をアクション・ミステリーにした「ジェヴォーダンの獣」(01)、日本のホラーゲームがベースの「サイレントヒル」(06)など、圧倒的な映像表現で知られてきた。「美女と野獣」では絵本、映画、舞台、アニメなどで語り尽くされた題材に、独創的なビジュアルで新たな命を吹き込んだ。

 もとは王子だった野獣はなぜ変身したのか。王子の秘密にスポットをあてながら、ベルと家族の横顔を掘り下げた導入部分。物語を大胆に拡大解釈したクライマックス。古典に独自のアレンジを加え、かつてない「美女と野獣」を作り出した。

 一つ一つのカットは息をのむほど幻想的。映像は流麗で語り口はじょう舌だ。豪華なセットと衣装、最新のCG(コンピューター・グラフィックス)技術で、圧倒的な映像美で観客の視覚に訴える。スタッフの努力が画面から伝わってくる。

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 「インディペンデンス・デイ」(96)、「GODZILLA」(98)など、ハリウッドのクリーチャー・デザインの第一人者、パトリック・タトポロスが参加。米国とは一味違うフレンチ・ラブ・ファンタジー映画となった。

(文・藤枝正稔)

「美女と野獣」(2014年、仏・独)

監督:クリストフ・ガンズ
出演:ヴァンサン・カッセル、レア・セドゥ、アンドレ・デュソリエ、イボンヌ・カッターフェルト

2014年11月1日(土)、全国公開。作品の詳細は公式サイトまで。

http://beauty-beast.gaga.ne.jp/

作品写真:(C)2014 ESKWAD - PATHE PRODUCTION - TF1 FILMS PRODUCTION ACHTE / NEUNTE / ZWOLFTE / ACHTZEHNTE BABELSBERG FILM GMBH - 120 FILMS

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posted by 映画の森 at 08:26 | Comment(0) | TrackBack(0) | フランス | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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