2014年07月14日

「なまいきチョルベンと水夫さん」 北欧の島、子どもたちのひと夏 リンドグレーンの児童文学 半世紀後の今も生き生き

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 スウェーデンが生んだ世界的女性児童文学家、アストリッド・リンドグレーン。「長くつ下のピッピ」、「やかまし村の子どもたち」、「ロッタちゃん」など、日本でも読んだ人は多いだろう。自然豊かなスウェーデンで、伸び伸びと暮らす子どもたち。1964年製作の「なまいきチョルベンと水夫さん」は、原作「わたしたちの島で」の映画化作品。今回デジタル修正版として日本公開される。

 緑豊かな避暑地のウミガラス島。ぽっちゃり体型で愛嬌たっぷりのチョルベン(マリア・ヨハンソン)は、両親や愛犬の「水夫さん」と一緒に過ごしている。ある日チョルベンは、漁師からアザラシの赤ちゃんをもらい「モーセ」と名づけて飼い始める。友人たちとかいがいしく世話をしていたが、漁師はモーセが高値で売れると知り、取り戻そうとする。一方、水夫さんもトラブルに巻き込まれて窮地に。チョルベンと友人たちは、モーセと水夫さんを守れるのか──。

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 日本ではあまりなじみのないスウェーデンの避暑地。「ウミガラス島」は実在のリゾート地、ヴァックスホルム島がモデルだ。美しい海辺には色とりどりのサマーハウスが並び、人々は北欧の短い夏を楽しみにやってくる。さんさんと降り注ぐ太陽、美しい白夜、家族で楽しむバーベキュー。大人も子どももバカンスを満喫している。

 主人公のチョルベンは、リンドグレーン作品のほかの主人公同様、茶目っ気がありちょっと破天荒だ。まるまるした笑顔、物おじしない性格で、時には大人もやり込めてしまう。原作「わたしたちの島で」はもともとリンドグレーンがテレビ番組の脚本として書き、大ヒットを受けて小説にしたもの。テレビから本へ、本から映画へ。製作から半世紀たった今も魅力はあせていない。リンドグレーンが時代を超えて愛された証拠だろう。

 遠い北欧のシンプルな暮らしぶりも垣間見え、大人も子どもも楽しめる。チョルベンのひと夏の冒険に、心がほんのり温かくなる作品だ。

(文・遠海安)

「なまいきチョルベンと水夫さん」(1964年、スウェーデン)

監督:オッレ・ヘルボム
出演:マリア・ヨハンソン、クリスティーナ・イェムトマルク、ステフェン・リンドホルム、トシュテン・リリエクローナ、ルイーズ・エドリンド、ベングド・エクルンド

2014年7月19日(土)、新宿武蔵野館ほかで全国順次公開。作品の詳細は公式サイトまで。

http://www.suifusan.com/

作品写真:(C)1964 AB SVENSK FILMINDUSTRI ALL RIGHTS RESERVED
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posted by 映画の森 at 15:30 | Comment(0) | TrackBack(0) | スウェーデン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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