2014年02月12日

「神さまがくれた娘」 温かく固い父娘の愛 南インドより 美しい風景とともに

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 幼い少女と知的障害の父の愛を描くインド映画「神さまがくれた娘」。インド南部・タミル語映画界が送る心温まる人間ドラマだ。

 インド南部の避暑地ウッティー。チョコレート工場で働くクリシュナ(ビクラム)は、5歳の一人娘ニラー(ベイビー・サーラー)を男手一つで育てている。ニラーを産んだ母は出産直後に亡くなった。しかし、父娘は職場の同僚や隣人の助けを受け、穏やかで幸せな毎日を送っていた。

 ニラーは「お月様」の意味。その名の通り、丸く輝くように愛らしく、誰からも好かれる少女だった。学校に通うようになったニラーは、女性事務局長のシュヴェータと親しくなる。シュヴェータはある日、ニラーが姉の娘だと知る。姉は家を出たまま音信不通となり、そのまま亡くなっていた。

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 姉が残した一粒種。クリシュナが子供ほどの知能しかないと知ったシュヴェータは、父で資産家のラージェンドランと共謀。断りなくニラーをチェンナイの自宅へ連れ帰る。娘が突然いなくなり、クリシュナは混乱して街をさまよう。やがて若手弁護士のアヌ(アヌシュカー)と知り合い、娘を取り戻すため法的措置に訴えることに。

 果たしてニラーは父のもとへ帰れるのか。娘の幸せを何より願うクリシュナが、最後に選んだ結論とは──。

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 年間製作本数1600本以上、世界随一の映画大国インド。日本の3倍、米国の2倍だ。国内市場はヒンディー語など35言語に分かれ、それぞれにスター俳優がいる。中でも北部のヒンディー語、中西部のテルグ語と並ぶのが南部のタミル語映画。12年には262本が製作され、国内トップとなった。

 そんなタミル語映画界をけん引する実力派俳優の一人が、クリシュナを演じたビクラム。日本でも知られる“スーパースター”ラジニカーント(『ムトゥ 踊るマハラジャ』『ロボット』)に続く存在として、現地で高い人気を誇っている。

 一方、娘ニラーを演じたサーラーは、ヒンディー語映画界出身。今回の出演に向けタミル語を学び、台本を丸暗記して撮影に臨んだという。愛らしい表情、大人顔負けの感情表現が光る。舞台となる南インドの美しい自然も印象的だ。

 日本でもこのところ、インド映画の公開がコンスタントに続いている。昨年の「きっと、うまくいく」、「恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム」、「マッキー」などに続き、2月は「デリーに行こう!」と「神さまがくれた娘」が公開される。いずれも異なるジャンル、キャストに彩られ、インド映画の奥深さを知る機会になるだろう。

(文・遠海安)

「神さまがくれた娘」(2011年、インド)

監督:A・L・ビジャイ
出演:ビクラム、ベイビー・サーラー、アヌシュカー、アマラー・ポール、ナーセル

2014年2月15日(土)、渋谷ユーロスペース、シネマート六本木ほかで全国順次公開。作品の詳細は公式サイトまで。

http://www.u-picc.com/kamisama/

作品写真:(C)AP International All Rights Reserved.
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posted by 映画の森 at 09:57 | Comment(0) | TrackBack(0) | インド | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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