2013年12月05日

「リヴ&イングマール ある愛の風景」 北欧の名監督と名女優 愛、友情の40年を追憶 

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 スウェーデンを代表する映画監督、イングマール・ベルイマン。ノルウェー生まれの名女優、リヴ・ウルマン。二人は「仮面/ペルソナ」(66)の撮影で出会い、たちまち恋に落ちる。ベルイマン46歳、ウルマン25歳。ともに既婚者。不倫の恋だった。ウルマンは家庭を捨て、ベルイマンと暮らし始める。

 しかし、蜜月は長く続かなかった。ウルマンはベルイマンの束縛と嫉妬に悩まされ、ベルイマンはウルマンのいら立ちと怒りに苦しめられた。結局、同居は5年で終わる。しかしその後、二人は親友として関係を復活させる。親密な関係は、2007年にベルイマンが亡くなるまで続いた。

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 「リヴ&イングマール ある愛の風景」は、二人の40年以上に及ぶ愛と友情の軌跡を追ったドキュメンタリーである。ウルマンの回想を中心に、ベルイマンの手紙、二人が生んだ作品、撮影風景などが、その時々の関係やウルマンの心境を実証していく。

 インタビューでのウルマンの語りと、合間に挿入される作品映像が、見事に呼応していることに驚く。スウェーデンのフォール島で同居していた時期、二人は「狼の時刻」(68)や「恥」(同)を撮っている。当時のウルマンの精神状態そのものが、作品に投影されている。

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 インタビューに応えるウルマンが美しい。間もなく75歳。少女のように愛らしい笑顔は、幸福な人生をうかがわせる。ベルイマンとの恋愛には苦しみもあったが、思い出に昇華されているのかもしれない。

 ベルイマンは「君は僕のストラディバリウスだ」と言ったという。「心から誇りに思う」と語るウルマン。女性として愛されると同時に、女優として必要とされたことがうれしかったのだろう。

 インタビューは二人がかつて暮らしたフォール島、ベルイマン宅で行われた。そこでウルマンは思いがけないものを発見する。遺品のぬいぐるみ。中に入っていたのは――。固い絆を物語るラストシーンに胸が熱くなる。

(文・沢宮亘理)

「リヴ&イングマール ある愛の風景」(2011年、ノルウェー・スウェーデン・イギリス・チェコ・インド)

監督:ディーラージ・アコルカール
出演:リヴ・ウルマン、イングマール・ベルイマン 

2013年12月7日、ユーロスペースほかで全国順次公開。作品の詳細は公式サイトまで。

http://livingmar.com/

作品写真:(c)NORDIC STORIES 2012
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posted by 映画の森 at 12:42 | Comment(0) | TrackBack(0) | ノルウェー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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