2013年12月02日

第14回東京フィルメックス 最優秀作品賞にグルジア映画「花咲くころ」 観客賞にシンガポール映画「ILO ILO(英題)」

「第14回東京フィルメックス」受賞者と審査員.jpg

 アジアの新たな才能発掘を目指す映画祭「第14回東京フィルメックス」は12月1日、コンペティション部門の最優秀作品賞にグルジア映画「花咲くころ」を選んで閉幕した。審査員特別賞にはカザフスタン映画「ハーモニー・レッスン」、観客賞には「ILO ILO(英題)」が選ばれた。

 審査員は「花の咲くころ」の受賞理由を、「10代の少女たちの力強い生命力を、1990年代前半のグルジア社会を背景に、エネルギッシュでリアルに描き出した」と説明。審査員特別賞の「ハーモニー・レッスン」は、「政治、文化の調和のあり方から生まれる暴力性を、男性社会というメタファー(隠喩)で描いた洞察力」が評価された。

花咲くころ250.jpg

 「花の咲くころ」のナナ・エクチミシヴィリ、ジーモン・グロス監督は「世界のまったく別の場所にいる人々の心に、自分たちの作品が届くことは、素晴らしく最高の気分です」と喜びのメッセージを寄せた。

 また、今後の活躍が期待される監督へ贈られるスペシャル・メンションには、タイ映画「カラオケ・ガール」(ウィッサラー・ウィチットワータカーン監督)、日本映画「トーキョービッチ,アイラブユー」(吉田光希監督)が受賞。学生審査委員賞はフィリピン映画「トランジット」が獲得した。

 東京・有楽町で11月30日開かれた受賞式典で、「トーキョービッチ,アイラブユー」の吉田監督は、感激に言葉を詰まらせながら「大好きな映画祭で賞を頂けて、とても励みになった。これから先も自分の映画を探し続け、また皆さんの前に戻ってきたい」と話した。

 さらに、観客賞「ILO ILO(英題)」のアンソニー・チェン監督もあいさつ。今年のカンヌ国際映画祭カメラ・ドール(新人監督賞)、台湾アカデミー賞(台湾金馬奨)4部門獲得など、世界的に高く評価されている作品。チェン監督は「観客の皆さんに選んでもらう賞は初めて。とてもうれしい。日本で配給され、日本の多くの皆さんに観てほしい」と語った。

 最後に審査委員長のモフセン・マフマルバフ監督(イラン)が「芸術的な映画の存在空間は、日々小さくなっている。観客の皆さんの支援により、このような映画は生き伸びている。映画作りは商売でも、仕事でもありません。映画は創造への愛であり、社会への責任なのです」と客席に語りかけた。

(文・写真 遠海安)
posted by 映画の森 at 14:07 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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