2013年10月01日

「ブッダ・マウンテン 希望と祈りの旅」 チェン・ボーリンに聞く 「方向を絞らず、いろいろなジャンルに挑戦したい」

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 中国映画「ブッダ・マウンテン 希望と祈りの旅」主演の台湾人俳優チェン・ボーリン(陳柏霖)が公開に合わせてこのほど来日し、インタビューに応えた。デビュー作「藍色夏恋」から11年。台湾、中国、香港と中華圏で幅広く活動を続け「今後も方向を絞らず、いろいろなジャンルに挑戦したい」と意欲を見せた。

 舞台は中国四川省。息子を亡くした京劇女優(シルビア・チャン=張艾嘉)と、共同生活する若者3人の交流を描く。中国の女性監督、リー・ユー(李玉)がメガホンを取り、第23回東京国際映画祭(10年)で最優秀芸術貢献賞を獲得。共演のファン・ビンビン(范冰冰)は最優秀女優賞を受賞した。

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 主なやり取りは次の通り。

 ──撮影から3年。やっと日本で公開された。

 今(日本版の)予告編を見たら、3年前と少し違う印象を受けた。それまで演じたことがないキャラクターで、撮影時は役に入り込んでいた。自分ももう30歳を過ぎたけれど、どれだけ時間がたっても素晴らしい作品だ。

 ──四川省が舞台で、役の生い立ちも背景も自分と大きく異なる。どう理解し、表現したのか。

 脚本をしっかり読み込み、キャラクターを把握し、共演者との関係性をつかんだ。服や言葉使いなどを変え、私生活も役に近付くよう心がけた。他の俳優との化学反応も楽しんだ。

 僕が演じたのは、いつも悩んでいて鬱屈した青年。自分と性格がまったく違う。明るい部分を押さえるのは大変だった。台湾のイントネーションは中国と違うので、台詞回しも難しかった。

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 ──ファン・ビンビンとシルビア・チャン。中国、台湾を代表する女優たちと共演した印象は。

 チャンさんは11年前に知り合い、今まで義理の息子のようにかわいがってもらっている。俳優で監督、先生のような存在。ファンさんは中国でとても人気があり、共演はいい経験になった。

 ──文芸作品からコメディーまで、幅広く出演している。作品選びの基準は。

 特に基準はない。すべては縁。面白そうだな、と思ったら出演する。縁がどこにあるかによって決まる。

 リー監督はフィルム撮影が好きで、今回もかなり長く回した。俳優には「脚本に自分で何か加える」ことを求める人。台詞以外に「場面の意識の流れ」でどう役を作るかが重要で、難しかったけれど面白い撮影だった。

 また、監督の撮り方はワンシーンが長い。5つしか台詞がなくてもカットをかけず、十数分間続けて撮る。演じながら「次はどうするのかな」と思うこともあり、挑戦的な作業だった。

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 ──30代はどんな役を演じたいか。

 方向を絞らず挑戦したい。「ブッダ・マウンテン」のように文芸路線もいいし、(台湾で今年公開されたコメディー)「変身(原題)」のような商業映画もいい。伝えられるメッセージはさまざまなので、いろいろなジャンルに出たい。30歳になったから父親役も。友人たちはもうみんな父親になっているからね(笑)。

 ──次回作はラブコメディー「愛情無全順(原題)」。今度は女性にもてないオタク青年役だ。

 すごく変わった役。僕の周りにもオタクは多い。彼らが何を考えているか、映画を通して知ってほしい。役作りについて監督とよく話し合い、にきびだらけで一重まぶたにする特殊メークには毎日3時間かかった。毎年ちょっと変わった映画に出るのもいいと思う。

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 ──あなたから見た台湾、台湾映画の魅力、日本人にアピールしたい点は。

 (しばらく考えて)いい作品を撮れば、誰にでも好まれる。日本と台湾はとても近い感覚があり、文化的に共通する面もある。僕ら台湾人は日本のアニメ、漫画が大好きで親近感を持っている。日本の皆さんも台湾映画の世界にすんなり入り込めるのでは。

 ──撮影前に必ず準備すること、俳優としての弱点、ストレス解消法は。

 いつも1カ月前から少しずつ役に近づいていく。演じる役がどんな本を読み、どんなものを見て、どんな言葉を使い、どんな生活習慣があるのか。撮影が始まってから迷わないよう、前もって準備していく。

 弱点は自分自身の小さなクセが演技に出てしまうこと。(俳優として)パパラッチに追われるのは楽しくないけれど(笑)、仕事はとても好き。素晴らしい職業だと思う。ストレス解消法は演技。演じることで発散している。

(文・遠海安 写真・岩渕弘美、遠海安)

「ブッダ・マウンテン 希望と祈りの旅」(2010年、中国)

監督:リー・ユー(李玉)
出演:チェン・ボーリン(陳柏霖)、ファン・ビンビン(范冰冰)、シルビア・チャン(張艾嘉)、フェイ・ロン(肥龍)、チン・ジン(金晶)、ファン・リー(方励)

2013年9月28日、ユーロスペース、K's cinemaほかで全国順次公開。作品の詳細は公式サイトまで。

http://www.buddha-mountain.com/

作品写真:(c)LAUREL FILMS

posted by 映画の森 at 18:05 | Comment(0) | TrackBack(0) | 台湾 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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