2013年05月07日

第14回全州映画祭(2) 小林政広監督、恒例企画「デジタル三人三色」参加 新時代の撮影方法、手探りで

第14回全州映画祭 チョン・ヒョンム(左)、カン・イェウォン.jpg

 韓国・全州国際映画祭の恒例プロジェクト「デジタル三人三色」で、小林政広監督が短編「逢う時は他人」を発表した。今年の「三人三色」のテーマは「異邦人」。昨年、国際コンペティション部門の審査委員として全州を訪れた小林監督。参加要請があったのは昨年末だったが、書き置いてあったシナリオがテーマと一致したため、急な申し入れを快諾したという。

第14回全州映画祭 イム・グォンテク監督(左).jpg 第14回全州映画祭 アン・ソンギ.jpg
第14回全州映画祭 キム・コッピ(右).jpg 第14回全州映画祭 イ・ジュン.jpg
第14回全州映画祭 (右から)リュ・スンワン、チョン・ウソン.jpg

 「逢う時は他人」は、ある事件でできた夫婦間の深い溝が、静かにゆっくりと埋まっていく過程を描いた45分の作品。小さな映画館を運営する夫役は小林監督自らが扮した。小林監督は「何本かデジタル映画を手がけたが、まだよく分からない。フィルムの方法論で撮っている状況だ」とデジタル時代への戸惑いも見せた。映画館のデジタル化が進み、フィルム上映不能になる時代が近付いていることに触れ、「(今作品に登場する)35ミリフィルムが回るさびれた映画館に、フィルム映画へのノスタルジーを込めた」と話した。

第14回全州映画祭 小林政広監督.jpg 第14回全州映画祭(左から) 小林政広監督、チャン・リュ監督、エドウィン監督.jpg

 開幕日の4月25日は、オープニング式典の司会を務めたタレントのチョン・ヒョンムと女優カン・イェウォンをはじめ、イム・グォンテク監督、俳優アン・ソンギ、国際コンペティション部門審査委員の俳優チョン・ウソンらがレッドカーペットを歩き、会場を盛り上げた。今年は46カ国・地域の178本を上映。期間中に約6万5000人が映画を楽しんだ。

独自性薄れ 曲がり角の映画祭

 「デジタルとインディペンデント」を掲げ、2000年にスタートした全州国際映画祭。当時はテーマの独自性が海外の映画関係者からも注目された。しかしデジタル映画が世界で主流となった今、その独自性は失われかけている。さらに昨年、意見の対立などが原因で起きたプログラマーの解任騒動が実行委員の総退陣に発展。今年の運営は混乱をきわめた。準備不足は否めず、海外ゲストや報道関係者の不満が続出。屋外イベントが減って、全州映画祭の特長だった“地域との一体感”が薄まったことが何より残念だ。

 今年は全州市がある全羅北道のリゾート地・茂朱(ムジュ)郡でも映画祭が始まる。韓国内で多種多様な映画祭が生まれては消えており、いかに特色を打ち出していくかが全州映画祭の生き残りのカギとなるだろう。

第14回全州映画祭会場2.jpg 第14回全州映画祭会場3.jpg

(文・写真 芳賀恵)

写真1:オープニング式典司会のチョン・ヒョンム(左)、カン・イェウォン
写真2:イム・グォンテク監督(左)
写真3:俳優のアン・ソンギ
写真4:韓国短編コンペティション部門審査委員のキム・コッピ(右)
写真5:人気K-POPグループMBLAQのイ・ジュン
写真6:国際コンペティション部門審査委員のチョン・ウソン(中央)、リュ・スンワン監督(右)
写真7:企画「デジタル三人三色」に参加した小林政広監督
写真8:ハンドプリンティングをした(左から)小林政広監督、中国のチャン・リュ監督、インドネシアのエドウィン監督
写真9〜10:全州市「映画の通り」=いずれも韓国全州市で
posted by 映画の森 at 08:56 | Comment(0) | TrackBack(0) | 韓国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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