2013年03月15日

「恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム」 時の流れと人間の再生 笑いと涙でボリウッド流に

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 人間が前世、現世、来世と再生を繰り返す様子を、ボリウッド流に歌と踊りで描く「恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム」。ロマンスとコメディーをベースに、輪廻にまつわるファンタジーを加えた。メガホンを取るのはインド映画界でただ一人、娯楽ヒット作を量産する女性監督ファラー・カーンだ。

 インド映画にはおなじみの長尺で、上映時間は3時間弱。前世=脇役俳優オーム(シャー・ルク・カーン)と、現世=トップスターに生まれ変わった現在の2部構成。“1本で2度おいしい”映画になっている。

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 幕開けはディスコダンス全盛の1977年。映画スターを夢見るオームは、トップ女優のシャンティ(ディーピカー・パードゥコーン)に憧れる。2人は友人になったものの、シャンティの夫ムケーシュ(アルジュン・ラームパール)の陰謀で命を落としてしまう。

 一方、オームを車ではねてしまった男性は、間もなく生まれた長男に「オーム」と命名。ここで前世と現世が切り替わり、オームの魂が引き継がれる。

 時は流れて2007年。人気俳優のオームは撮影で大忙し。前世は貧乏でダサかったが、すっかり洗練された金持ちに変身している。

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 しかし、現世のオームは原因不明の幻影に悩まされていた。前世で体験した火事などの記憶が、フラッシュバックとなって襲い来るのだ。そこへ憎きムケーシュが登場。オームは自分が“生まれ変わった”ことを知り、前世の恨みを晴らすためムケーシュへの復讐を誓う──。

 ダンスするオームの変貌ぶりが見ものだ。前世では70年代ディスコダンス。現世ではMTV風の最先端ダンスを披露する。ボリウッドのスーパースター、カーン自身が肉体改造に取り組み、腹筋の割れた体を作り上げたそうだ。

 観客を楽しませるためには、努力と労力を惜しまない。インド映画の底力を感じる作品だ。日本の映画ファンにもおなじみの豪華絢爛ミュージカルを随所に挿入。古代思想の輪廻を取り込みながら、笑いと涙、ロマンス、ファンタジーをうまく散りばめている。

(文・藤枝正稔)

「恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム」(2007年、インド)

監督:ファラー・カーン
出演:シャー・ルク・カーン、ディーピカー・パードゥコーン、アルジュン・ラームパール、シュレーヤス・タラプデー、キラン・ケール

2013年3月16日、渋谷シネマライズ、シネ・リーブル梅田ほかで全国順次公開。作品の詳細は公式サイトまで。

http://www.uplink.co.jp/oso/

作品写真:(C) Eros International Ltd
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posted by 映画の森 at 10:30 | Comment(0) | TrackBack(0) | インド | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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