宮﨑あおい、向井理初共演で2月2日公開の「きいろいゾウ」完成披露試写会がこのほど東京・新宿で行われ、主演二人、柄本明、松原智恵子、子役の濱田龍臣、浅見姫香ら出演者、原作者の西加奈子、廣木隆一監督が舞台挨拶した。
「以前から原作が好きだった」という宮﨑。主人公のツマ役に「台本をもらった時、自分が27、8歳の役をやれる年齢になったんだなと思った」と話した。感情豊かな役の表現については「三重県で1カ月ほど撮影し、普段の生活と離れて過ごせた。役と向き合う時間が長く精神的にしんどかったが、どんどん自分の中の人間的な部分が欠けていき、芝居がやりやすくなっていった。三重という土地に力をもらった」と語った。
一方「（演じた）ムコ役はビジュアル的に違うと思った」という向井。「小説と映画は同じではない。自分にできることを考えた。役の持つ良い部分、悪い部分、自分が受けた印象。どう役を生きるか、雰囲気を出すかを大事にした」と話した。
初共演について、宮﨑は「初めから距離感が自然と生まれた。（向井は）待ち時間とカメラの前の温度差があまり変わらない。普段から特に話をするわけでもなく、自然と演じられて居心地のいい感じ」。向井も「互いに別の事をしながら、同じ空気感があって、気を使わずできた。（宮﨑は）初顔合わせの時、前髪をぱっつんと切ってきて、自分がイメージしたツマがいた」と。
素顔は「暗くて人見知り」という二人。相手の印象を宮﨑は「すきがある人。一緒に芝居し、いっぱい感情が揺れた。同じ空気を共有できた」と話し、向井は「行き過ぎなぐらいまっすぐ。ツマとオーバーラップして、無理やり本番のスイッチを入れずに済んだ」と語った。
最後に宮﨑が「ファンタジーの部分もあり、登場する人たちが大事な人と向き合おうとする映画。心が痛くなったり、悲しくなったり。大事な人と向き合うには大変な瞬間もたくさんある。頑張って乗り越えようとする人たちの映画です」と語った。
（文・写真 岩渕弘美）
「きいろいゾウ」（2012年、日本）
監督：廣木隆一
出演：宮崎あおい、向井理、濱田龍臣、浅見姫香、本田望結、緒川たまき、リリー・フランキー、松原智恵子、柄本明、大杉漣（以下声の出演）、柄本佑、安藤サクラ、高良健吾
2月2日、新宿ピカデリーほかで全国公開。作品の詳細は公式サイトまで。
http://www.kiiroizou.com/
