2012年09月18日

「ファインディング・ニモ 3D」 ディズニー&ピクサーの名作、3Dで蘇る

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 豪グレード・バリアリーフ。カクレクマノミのマリーンと妻のコーラルは、間もなく孵化する卵400個を守りながら幸せにひたっていた。その時突然、凶暴なバラグーダが夫妻に襲いかかる。マリーンは気を失い、気がついた時にはコーラルの姿はなく、卵も全滅……と思ったが、たった一つ助かった卵があった。マリーンは生まれた子に“ニモ”と名付け、「何があっても守り抜く」と誓う。

 2003年に製作されたディズニー&ピクサー作品の3D化だ。ピクサー作品「バグズ・ライフ」(98)のアンドリュー・スタントン監督にとって2作目。スタントン監督は同じくピクサー作品「ウォーリー」(08)を経て、ディズニー作品「ジョン・カーター」(12)で実写デビューを果たした。「ファインディング・ニモ 3D」は日本語吹替版のみの上映で、音源は木梨憲武と室井滋による03年版と共通。「トイ・ストーリー」シリーズのスピンオフ作品である短編「レックスはお風呂の王様」が同時上映される。

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 カクレクマノミの父マリーンが、人間にさらわれた息子ニモを探して大冒険を繰り広げる。ニモを追って人間のボートを全速力で追いかけるマリーンは、ナンヨウハギのドリーとぶつかる。「人間のボートを目撃した」というドリーは、能天気な楽天家で極度の健忘症。クジラ語が分かり、人間のアルファベットを読める知能を持っている。親切なドリーはマリーンのニモ探しを手伝うことになった。

 一方、ニモは歯科医のシャーマンにとらわれ、シャーマンの水槽で観賞用の魚となり、先に飼われていた魚たち、通称“タンク・ギャング”と生活を始める。ニモはシャーマンの7歳の姪、ダーラの誕生日プレゼントになると決まっていた。ダーラは魚をもらってすぐに殺してしまう凶暴な性格で、タンク・ギャングたちが最も恐れる子供だった。ニモの身を案じたタンク・ギャングは、水槽でニモの脱出させるため四苦八苦。そのころマリーンとドリーはさまざまな海洋生物と出会い、シャーマンが海に落としたゴーグルの名前と住所を頼りにシドニーを目指す。

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 魚が擬人化され、コンピューター・グラフィックス(CG)で作られたキャラクターが冒険を繰り広げる展開は、「トイ・ストーリー」に始まる一連のピクサー作品と共通する。「ファインディング・ニモ 3D」は親子の絆を全面に押し出しつつ、魚の友情と冒険を繊細かつダイナミックに描き出した名作である。3D化で映像の奥行きが増し、泳ぐ魚や浮遊物、背景の対比がより明確になり、水中ならでは三次元的絵作りが実現。観客が作品世界に入り込んだ感覚が味わえる。

 最近は名作の3D変換が広がっているが、ここまで違和感なく出来た作品は珍しい。最初から3Dとして作られた新作と見まがうクオリティーとなった。名作が3Dの付加価値でブラッシュアップされ、一見の価値がある。ディズニー&ピクサーの技術力を改めて感じさせる仕上がりだ。

(文・藤枝正稔)

「ファインディング・ニモ 3D」(2003年、米国)

監督:アンドリュー・スタントン
製作総指揮:ジョン・ラセター

9月15日、3D劇場限定公開。作品の詳細は公式サイトまで。

http://www.disney.co.jp/finding-nemo-3d/home/

作品写真:(C)Disney/Pixar
posted by 映画の森 at 11:54 | Comment(0) | TrackBack(0) | 米国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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