2009年02月24日

「おっぱいバレー」 綾瀬はるか主演 爽やか青春ドラマ

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 1979年、北九州。「おっぱいを見たい&触りたい」と妄想に駆られる中学男子5人組。彼らの通う戸畑第三中学校に赴任してくるのが、新任国語教師・寺嶋美香子、23歳だ。美香子は早速、弱小男子バレー部の顧問を押し付けられてしまう。妄想男子5人が所属し、馬鹿なことばかりして「馬鹿部」と呼ばれる部だった。

 ボールさえ触ったことがない部員たち。バレーなんかまったくやる気がない。そんな彼らにやる気を起こさせるため、美香子は「あなたたちが頑張るなら、先生何でもするから!」と宣言してしまった。エッチな妄想の日々送る5人にとって、美香子は好奇の対象。「試合に勝ったら、先生のおっぱいを見せてください!」とお願いする。ありえない約束に戸惑う美香子も押し切られてしまう。美香子のおっぱい見たさに、が然やる気が出た男子バレー部。別人のよう練習に打ち込み始めた──。

 思春期の男子であれば、一度は通過する異性への未知なる憧れ。「おっぱいバレー」は、そんな青春の甘酸っぱい衝動を前面に押し出している、動機こそ不純だが、立派な教師と生徒の成長物語だ。美香子を演じるのは、昨年だけで「僕の彼女はサイボーグ」「ICHI」「ハッピーフライト」と主演作品3本が公開された綾瀬はるか。一歩間違えば下品なギャグ映画になってしまいそうな題材。清楚な綾瀬の存在が、危うい物語を破たんさせず、爽やかにとどめている。

 また、79年という時代背景が、映画をあっけらかんとしたものにしている。生徒たちが「おっぱい、おっぱい」と路上で叫んでも、“セクハラ”なんて言われない大らかな時代。同時代を描いた「ぼくたちと駐在さんの700日戦争」にも共通する青春の甘酸っぱさを感じる。インターネットも携帯電話もない。思春期の少年たちは、さまざまな手を使い、エロスを追い求めていた。美香子の愛読書である高村光太郎の「道程」。タイトルを聞いただけで鼻血を出してしまう血気盛んな中学生の目に、美香子は女神に映ったのだろう。

 「試合に勝って美香子のおっぱいを見る」ことを夢見る生徒たちと並行して、“おっぱいの約束”が学校にばれて窮地に立たされる美香子が描かれる。解雇を告げられた美香子は、自分の中学時代の過ちを思い出す。万引きをして補導された美香子。老教師との一対一の授業で、教師は名作文学を美香子に読ませ、感想文を書かせる。指導名目のつまらない授業が、のちに美香子を教師の道に進ませる。過去と現在が点と線でつなげる演出だ。美香子は、背中を押してくれた恩師の教えを思い出し、もう一度生徒たちと向き合う。

 ピンクレディー、キャンディーズなど懐かしいヒット曲に彩られ、当時を再現した町並みや小道具も抜かりがない。笑いと涙のバランスも非常にいい。「LIMIT OF LOVE 海猿」の羽住英一郎監督の演出は手堅く、楽しい青春ドラマに仕上がった。

(文・藤枝正稔)

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「おっぱいバレー」(2009年、日本)

監督:羽住英一郎
出演:綾瀬はるか、青木崇高、仲村トオル

4月18日、全国公開。作品の詳細は公式サイトまで。

http://wwws.warnerbros.co.jp/opv/

(c)2009「おっぱいバレー」製作委員会
posted by 映画の森 at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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