2009年05月15日

「天使と悪魔」 ロン・ハワード監督に聞く

「ラングドン教授と一緒に、スリルあふれる冒険を」

090515ロン・ハワード監督.jpg

 世界中でブームを巻き起こした大ヒット作「ダ・ヴィンチ・コード」から3年。待望のシリーズ第2作「天使と悪魔」が5月15日、ついに公開された。前作に続き、暗号解読に挑むのは、トム・ハンクス演じるロバート・ラングドン教授。今回の相手は、ヴァチカンへの復讐を誓う秘密結社・イルミナティだ。知性のかたまりのようなラングドンが、捨て身のアクションにも挑戦。手に汗握るエキサイティングな作品となった。撮影の制約を受けながらも、ゲリラ的手法やSFXを駆使して臨場感あふれる映像を生み出したロン・ハワード監督。「ラングドン教授と一緒に、スリルあふれる冒険を体験してほしい」と語った。

天使と悪魔_250.jpg

 主なやり取りは次の通り。

 ――撮影には苦労されたのでは。

 撮影許可が下りたのはわずかな場所だけ。かなりの部分を人工的に再現せざるを得なかった。実際にローマで撮影できたものをベースにしつつ、最新技術を駆使してリアルな世界を構築した。特撮部門をはじめ製作スタッフには、いろいろ厳しい注文も出したよ。彼らの“ムービー・マジック”のおかげで、本物と区別がつかないほどリアルな映像を創造することができたと思う。

 ――“宗教と科学との対立”というテーマは物議をかもすのでは。

 前作「ダ・ヴィンチ・コード」で、さまざまな批判や非難を受けたので、今回はさほど気にならないね。人々の宗教観に揺さぶりをかけてはいるが、宗教を侮辱する意図はまったくないよ。ただ、組織化された宗教が、対立や暴力を生み出し、人類の平和を乱すファナティズム(狂信)やテロリズムにつながることはあり得るし、実際に起きてもいる。そういった問題を娯楽という衣装に包んで提示したかったんだ。街頭で台の上に立って説教したところで、誰も耳を傾けてくれないと思うけど、映画という形であれば、多くの人々の注目を呼ぶことができるだろう。

 ――カメルレンゴ(教皇侍従)を演じたユアン・マクレガーは、まさに「天使と悪魔」を体現したような人物として強烈な存在感を放っていた。

 この人物は信仰心を純粋な形で持っており、非常に献身的な人物。宗教に携わっている人間に多いタイプだ。この映画では、彼の中の思い込み、信仰の激しさを表現したかった。マクレガーとは役づくりについて十分に話し合ったよ。彼は私の期待に応え、見事な演技を見せてくれた。

 ――前作では歴史を感じさせるクラシカルな映像が目立っていたが、今回は臨場感あふれるモダンな映像を中心に構成されている。

 “宗教と科学の対立”は、アメリカで現在も議論されているホットな問題だ。その意味で、現代的なアプローチが必要だった。過去の問題ではなく、現代の問題として観客に受け止めてほしかったんだ。そのためにも、観客にはラングドン教授と一緒に冒険しているような感覚を与えたかった。「爆弾が仕掛けられた!」「タイムリミットまでに何とかできるのか!」「次の枢機卿が殺される前に現場に駆けつけなくては!」。そんなふうに、ラングドン教授になりきって臨場感を体験してほしかった。サスペンスを高めるため、撮影はショットを組み立てる暇がないくらいのハイペースで進行した。結果として、前作以上にエキサイティングな作品に仕上がったと思う。

(文・沢宮亘理)

×××××

「天使と悪魔」(2009年、米)

監督:ロン・ハワード
出演:トム・ハンクス、ユアン・マクレガー、アイェレット・ゾラー

5月15日(金)、TOHOシネマズ日劇ほかで全国公開。作品の詳細は公式サイトまで。

http://bd-dvd.sonypictures.jp/angelsanddemons/

写真1:「人々の宗教観に揺さぶりをかけてはいるが、宗教を侮辱する意図はまったくない」と話すロン・ハワード監督=東京都内で5月上旬、筆者撮影
写真:「天使と悪魔」のトム・ハンクス
posted by 映画の森 at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 米国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック