2009年06月06日

「ガマの油」 役所広司が初監督 時空を超えた愛

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 少年院から出所する親友のサブロー。彼を迎えに行く途中で交通事故に遭い意識不明となってしまった拓也。そうとも知らず拓也のケータイに電話する恋人の光。そのケータイに出てしまい、とっさに拓也のふりをする父親の拓郎。そんな拓郎を、光は拓也と信じ込んでしまう――。

 一つの嘘から生まれた虚構の関係、そこに息づく真実の愛。名優・役所広司の初監督作品「ガマの油」は、ほんわかしたユーモアの中に、愛することの意味を問いかける、感動のファンタジーだ。

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 東京・田園調布の、まるで宮殿のような豪邸。デイトレーダーの矢沢拓郎(役所広司)が、今日もハイテンションで億単位の金を動かしている。口癖は“どんなもんじゃい!”。ちょっぴり怪しげな雰囲気が漂う中年男だ。一方、妻の輝美(小林聡美)は、得意料理のコロッケを山のように作ってすましている、おっとりタイプの専業主婦。

 そんな二人の一人息子である拓也(瑛太)が、交通事故で昏睡状態に陥った。拓也の恋人・光(二階堂ふみ)からの電話を受けて、なぜか拓也になりすます拓郎。拓也の事故に責任を感じて、矢沢邸を訪れるサブロー(澤屋敷純一)。拓也の事故をきっかけに、それまで出会うこともなかった者たちが急接近。物語は思いがけない方向に展開していく。拓郎の嘘に光はいつ気づくのか? 拓郎の前に現れたガマの油売りは何者なのか?

 役所広司、小林聡美、瑛太ら、申し分のないキャストに加えて、新人が二人起用されている。一人は、拓也の親友で少年院上がりのサブローを演じた澤屋敷純一。現役のK−1ファイターだ。もう一人は、拓也の恋人で天真爛漫な少女・光を演じた二階堂ふみ。沖縄出身の雑誌モデルだ。二階堂は、役名さながら輝く太陽のような笑顔が印象的。役所の演じる拓郎とはまた違ったテンションの高さで物語を牽(けん)引している。

 黒沢清、周防正行をはじめ数々の名監督と組んできた役所広司が、初めてメガホンを取った話題作「ガマの油」。さて、その効能やいかに。御用とお急ぎのない方は、とくとご覧(ろう)じろ。

(文・沢宮亘理)

×××××

「ガマの油」(2008年、日本)

監督:役所広司
出演:役所広司、瑛太、澤屋敷純一、二階堂ふみ、八千草薫、益岡徹、小林聡美

6月6日、丸の内TOEI2ほかで全国公開。作品の詳細は公式サイトまで。

http://www.gama-movie.com/

写真:(c)2008「ガマの油」製作委員会
posted by 映画の森 at 00:00 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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