2009年09月17日

「エリック・クラプトン&スティーヴ・ウィンウッド ライヴ・フロム・マディソン・スクエア・ガーデンcine sound ver.」/「ジェフ・ベック ライヴ・アット・ロニー・スコッツcine sound ver.」

エリック・クラプトン&スティーヴ・ウィンウッド1_250.JPG

 エリック・クラプトン、スティーヴ・ウィンウッド、そしてジェフ・ベック。いずれも60年代のロック草創期にデビューし、つねにシーンの頂点に君臨し続けてきたロック界の巨人である。この3人のコンサートの模様が、最新ムービー・デジタル・サラウンド・システム(cine sound ver.)を得て、実際のライブ以上の迫力ある2本のフィルムとして蘇った。

 1本目は「エリック・クラプトン&スティーヴ・ウィンウッド ライヴ・フロム・マディソン・スクエア・ガーデンcine sound ver.」。1969年に結成され、わずか数カ月で解散したスーパーグループ、ブラインド・フェイスのメンバーだったエリック・クラプトンとスティーヴ・ウィンウッドが、2008年に行ったジョイント・コンサートの記録映像だ。

 演奏されるのは、2人がそれぞれ所属したトラフィックやデレク&ザ・ドミノス、彼らの音楽的ルーツといえるロバート・ジョンソン、同時代のライバルであり友であったジミ・ヘンドリックスらのナンバー。どれも素晴らしい。しかし、ファンにとって最も興奮させられるのは、「プレゼンス・オブ・ザ・ロード」や「オール・ライト」などブラインド・フェイス時代の4曲だろう。オープニングを飾る「泣きたい気持ち」のイントロが奏でられる瞬間、胸に熱いものがこみ上げてくるオールド・ファンは少なくないはずだ。

 中盤以降、ウィンウッドがギターから本業のキーボードに戻ってから、ステージにはいよいよブラインド・フェイスの幻影が色濃く立ちこめ、ただただ感動と陶酔の時間が過ぎていく。あの時代から40年。しかし、2人の天才ミュージシャンの腕は少しもさび付いていない。

 2本目は「ジェフ・ベック ライヴ・アット・ロニー・スコッツcine sound ver.」。2007年にジェフ・ベックがロンドンのジャズクラブ“ロニー・スコッツ”に出演したときの記録映像だ。65歳となった今も、存在を脅かす者が現れない世界最強のギタリスト、ジェフ・ベック。神業としか思えないギタープレーを至近距離から撮影したこのフィルムは、ベックの指先の細かな動きまでとらえ、独創的なサウンドがいかに生み出されるか、秘密の一部を垣間見せてくれてもいる。

 全編にわたりアクセル全開で弾きまくるベックだが、頂点に達するのは、ゲストの1人としてエリック・クラプトンを迎えた場面だ。演奏するのは、2人が尊敬するマディ・ウォーターズのブルース・ナンバー。僚友クラプトンと共演する嬉しさを満面にたたえつつ、遠慮会釈なしの超絶プレーで、クラプトンをすっかり脇役に追いやってしまっている。そんなワガママぶりも含め、ジェフ・ベックという空前絶後のギタリストの魅力を思い切り堪能できる、貴重なフィルムだ。

 観客席に映し出されるもう1人の僚友ジミー・ペイジやロバート・プラントらの姿もお見逃しなきよう。

(文・沢宮亘理)

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「エリック・クラプトン&スティーヴ・ウィンウッド ライヴ・フロム・マディソン・スクエア・ガーデンcine sound ver.」(2009年、英)

監督:マーティン・アトキンス
出演:エリック・クラプトン、スティーヴ・ウィンウッド、クリス・ステイントン、ウィリー・ウィークス、イアン・トーマス  

「ジェフ・ベック ライヴ・アット・ロニー・スコッツcine sound ver.」(2008年、英)

監督:ステュアート・ワッツ
出演:ジェフ・ベック、ヴィニー・カリウタ、ジェイソン・リベロ、タル・ウィルケンフェルド、エリック・クラプトン、ジョス・ストーン、イモ―ジェン・ヒープ 

9月19日、TOHOシネマズ六本木ヒルズで先行ロードショー、9月26日より全国公開。作品の詳細は公式サイトまで。

http://www.cinemacafe.net/official/clapton-beck-movie/

作品写真:(c)Danny Clinch / Class Act TM
posted by 映画の森 at 00:00 | Comment(0) | 英国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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