2019年06月14日

「パージ:エクスペリメント」シリーズ4作目「すべての犯罪が合法になる」スリラー

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 経済が崩壊した米国。政権を握るNFFA(新しいアメリカ建国の父たち)は犯罪率を抑えるため、すべての犯罪を12時間合法化する「パージ法」の実験的導入を決定。ニューヨークのスタテン島の住民に報酬5000ドルを約束し、サバイバル競争をスタートさせる──。

 「パージ」(13)、「パージ:アナーキー」(14)、「パージ:大統領令」(16)に続くシリーズ4作目。製作総指揮、脚本はジェームズ・デモナコ。製作は「パラノーマル・アクティビティ」シリーズのジェイソン・ブラム、「トランスフォーマー」シリーズのマイケル・ベイ。監督は「ヘルウィーク」(17・未)のジェラード・マクマリー。

 「パージ法」に則って展開するスリラーは、過去3本で描き切ったと思われたが、今回は意表をついて時間軸をさかのぼる。法の制定前、実験段階を描く前日譚になっている。

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 実験ではスタテン島を外部と遮断。島に残った住民には、映像が記録できるコンタクトレンズの装着と引き換えに、報酬5000ドルが約束される。腕には追跡装置が埋め込まれ、政府の監視下に置かれるのだ。
 
 残った住民は黒人やヒスパニック系の低所得者たち。12時間をやり過ごすため自宅に閉じこもる人。安全な教会に集まる人。一方で、ギャングの抗争に「パージ法」を利用する者も出現。島民たちのサバイバルが始まる。

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 島という閉ざされた場所が舞台なのは、ジョン・カーペンター監督「ニューヨーク1997」(81)を思わせる。監獄となった近未来ニューヨークの島に大統領機が墜落。行方不明になった大統領を、元特殊部隊員の男が救出に向かう物語だ。今回脚本を書いたデモナコは、カーペンター監督「要塞警察」(76)のリメイク版「アサルト13 要塞警察」(05)の脚本も担当した。
カーペンター監督の影響は、次世代に受け継がれたようだ。

 犯罪が増え続ける国内のガス抜きを目的に、12時間だけ殺人と犯罪を政府が肯定する。暴力を通して世相を映したスリラーといえよう。

(文・藤枝正稔)

「パージ:エクスペリメント」(2018年、米)

監督:ジェラード・マクマリー
出演:イラン・ノエル、レックス・スコット・デイビス、ジョイバン・ウェイド、クリステン・ソリス、スティーブ・ハリス

2019年6月14日(金)、TOHOシネマズ日比谷ほかで全国公開。作品の詳細は公式サイトまで。

http://purge-exp.jp/

作品写真:(C)2018 Universal Pictures
posted by 映画の森 at 11:17 | Comment(0) | 米国 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする