2019年05月10日

「ラ・ヨローナ 泣く女」ジェームズ・ワン製作、「死霊館」に通じる「最恐」ホラー

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 1970年代の米ロサンゼルス。不可解な死を遂げた子の母親が、不吉な警告を発する。無視したソーシャルワーカーのアンナ(リンダ・カデリーニ)と子供たちは、ある女の“泣き声”を聞いてしまう。その日を境に数々の恐ろしい現象に襲われることになる──。

 製作は「死霊館」シリーズのジェームズ・ワン、監督は今回が長編デビューのマイケル・チャベス。「ラ・ヨローナ」は、スペイン語で「泣く女」を意味する。

 「死霊館」(13)で始まったワンのホラー映画は、同作に登場する人形を題材にした「アナベル 死霊館の人形」(14)など派生を続け、今回もその1本といえる。メキシコの怪談に登場する呪われた「泣く女」がモチーフだ。

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 ヨローナの原点から話は始まる。村一番の美女がスペイン人と恋に落ち、子供二人を授かった。幸せは続かず、男は裕福なスペイン人女性のもとに去る。美女は嫉妬に狂い、夫最愛の子ども二人を溺死させる。美女は我に返り、後悔に苦しみ、泣きながら川へ身を投げる。

 時は移って現代。ヨローナの涙は枯れず、わが子を探してさまよっていた。ロサンゼルスのアンナは、虐待の疑いがある女性パトリシアの家で、クローゼットに閉じ込められていた兄弟を救う。パトリシアの行為は、ヨローナの呪いから逃れるためだった。事情を知らないアンナの救助で、最悪な事態が起きる。兄弟が川で水死体で見つかったのだ。アンナに怒り狂うパトリシア。やがてヨローナの呪いはアンナの子二人に向けられる。

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 ジェームズ・ワンのヒット作「死霊館」シリーズと、底辺でつながっている。中盤にヨローナの呪いに苦しむアンナが教会に相談に行くと、「アナベル 死霊館の人形」に登場したペレス神父(トニー・アメンドーラ)が登場。アンナに悪魔ばらいにたけたラファエル神父(レイモンド・クルツ)を紹介する。

 ヨローナは狙った子供に執着する粘着系で、執念深さは日本ホラー・キャラ「貞子」を彷彿させる。泣き声とともにプール、バスタブなど水のある場所ならどこでも出現。家ごと破壊しかねぬパワーで家族に襲いかかる。最終的には悪魔ばらいに頼ることになり、神父はヨローナの一騎打ちに臨む。

 チャベスの語り口は、デビュー作らしからぬうまさ。ショック演出の間合いも良く、ホラー監督として期待できる逸材だ。ワンも手腕を買っているようで、20年公開の「死霊館」シリーズ3作目の監督に抜擢したという。「ラ・ヨローナ 泣く女」は、ワンが送り出す「最恐」ホラーだ。 

(文・藤枝正稔)

「ラ・ヨローナ 泣く女」(2019年、米国)

監督:マイケル・チャベス
出演:リンダ・カーデリニ、マデリーン・マックグロウ、ローマン・クリストウ、レイモンド・クルツ、パトリシア・ベラスケス

2019年5月10日(金)、全国公開。作品の詳細は公式サイトまで。

http://wwws.warnerbros.co.jp/lloronamoviejp/

作品写真:(C)2019 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.
posted by 映画の森 at 15:22 | Comment(0) | 日本 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする