2017年07月16日

ゆうばり映画祭、2018年は3月15日から開催

 SFやホラー、ファンタジー、サスペンスなどのジャンル映画の祭典「ゆうばり国際ファンタスティック2018」が、来年は3月15日(木)〜19日(月)の5日間、北海道夕張市で開かれる。通算28回目、民間主催に転換してから11回目となる。

 深津修一プロデューサーは「財政破たんした夕張市も、10年間の雌伏の時を待って、ようやく今年から積極財政に打って出ました。映画祭も2017年、民間だけで10回目の開催を実現し、いよいよ夕張市とともに、守りから外に打って出る時期が来たものと強く感じています」とコメント。次回から海外の映画祭との連携をさらに強化し、ファンタスティック・オフシアター・コンペティション部門の受賞作品を提携映画祭で上映する流れを作りたいと意欲をみせている。

 オフシアター・コンペティション部門はメジャーへの登竜門として若手クリエーターの注目が集まる部門。これまでに「天然コケッコー」、「味園ユニバース」の山下敦弘監督、「22年目の告白―私が犯人です」の入江悠監督らを輩出している。
コンペを含む主要プログラムの作品募集は7月14日から10月24日まで。詳細は映画祭公式サイト内の作品応募ページ(http://yubarifanta.com/entry/)で参照できる。

映画祭公式サイト
http://yubarifanta.com/

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2017年07月08日

「クロス」交差する二つの殺人 過去に向き合う二人の女

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 集団リンチ殺人の加害者の現在が暴かれ、もう一つの殺人が明るみに出る「クロス」。人間が過去と向き合い、思わぬ運命に対峙する様子を描く。映画プロデューサーで監督の奥山和由、撮影監督の釘宮慎治が共同でメガホンを取った。

 集団リンチ殺人を追っていたジャーナリストの柳田(斎藤工)は、加害者の知佳(Sharo)の居場所を突き止める。知佳の夫の孝史(山中聡)は柳田に事実を知らされ動揺。夫婦関係に亀裂が入る。知佳の過去は記事になり、孝史が経営する会社は倒産。愛犬の里親を募集したところ、真理子(紺野千春)が名乗り出る。

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 孝史の娘・聖羅(前野えま)は愛犬と離されてふさぎ込む。娘思いの孝史は真理子に頼み、犬を通じた交流が始まった。しかし、知佳は夫と真理子の仲を疑う。集団リンチ殺人が起きた同じ時期に発生した不倫殺人事件に、真理子が絡んでいるのではないか──疑った知佳は柳田を呼び出し、告げ口をする。

 過去に起きた二つの殺人が交差する。着眼点とアイデアは優れている。しかし、全体に掘り下げが浅い。不倫殺人は理解できるところまで描かれるが、集団リンチ殺人は背景説明にとどまった感がある。土台となるべき「過去」が安定しないため、描かれる「現在」が説得力を欠く。

 重点が置かれているのが、真理子の心情だ。もう人を会いしてはいけないのに、内に眠る女の部分と葛藤する。そんな姿に知佳は嫉妬するが、演じるSharoが表面的な演技に終始している。一方、柳田役の斎藤は短い出演ながら、ふてぶてしくしたたかな記者役で存在感を見せている。

(文・藤枝正稔)

「クロス」(2017年、日本)

監督:奥山和由、釘宮慎治
出演:紺野千春、山中聡、Sharo、前野えま、那波隆史

2017年7月1日(土)、ユーロスペースほかで全国順次公開。作品の詳細は公式サイトまで。

http://www.cross2017.com/

作品写真:(C)2017「クロス」製作委員会

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